遷延性意識障害は完治する見込みがありますか?
重度の遷延性意識障害の患者が完全に健康を取り戻し、健常者となって社会復帰する例はほぼ皆無ですが、症状が回復するケースは数多く報告されています。
では、遷延性意識障害は治る病気か?というと、最新の医学をもってしても、その答はまだ見いだせていません。
なぜなら、人間の脳には未知の分野がたくさんあるからです。
それともう一つは、壊れた脳細胞はもとに戻らないという脳細胞の不可逆性が、治療に対する壁となって立ちはだかっています。
しかし、医学の進歩によって、新薬や新技術によって治らないと思われていた病気が治るようになる例は枚挙にいとまがありません。
脳生理科学の研究が進めば、今後、遷延性意識障害が治療できないと言われていた時代があったと言われる日が来るかもしれません。
患者のために今できることをしましょう。
遷延性意識障害患者の家族の方は、医学の進歩を待てない、今すぐ治したいとお思いでしょう。
遷延性意識障害を治すには、適切な「治療」「リハビリ」「看護」の3つが求められます。
治療を受けるだけではなく、回復期になったらリハビリを受けることが重要です。
もとプロ野球巨人軍の長嶋茂雄さんは、脳梗塞で倒れ、当時は寝たきりになるかもしれないと医師に言われたほど重い症状で、寝たきりにはならなかったものの半身まひが残りました。
しかし、壮絶とも言える厳しいリハビリに耐えて歩行できるようになり、さらにリハビリを続けた結果、杖なしで歩けるようになり、テレビカメラの前にたびたび登場するようになりました。
リハビリは、一朝一夕には結果が出ない上、苦しい、痛い、退屈だ、お金がかかる・・と、継続は力なりとは言っても続けること自体が大変なことです。
長嶋茂雄さんが、歩けるようになった時点でリハビリをやめていたら、身体機能の回復はそこで止まっていたかもしれません。
1カ月リハビリを続けたら、少し変化が見られた・・というようなわずかな変化こそ、遷延性意識障害の回復の兆しです。
もちろん、もとスポーツマンで強靭な肉体の持ち主だった人と同じような負荷をかけて一般の人がリハビリすることはできませんし、遷延性意識障害におけるリハビリは脳梗塞とは異なる機能回復訓練を行います。
どうぞ、症状の回復をめざして適切な医療機関で正しいリハビリを受けてください。
交通事故において弁護士が活躍される事は多いですが、遷延性意識障害のような重篤な後遺症を負った時こそ、法的な知識や交渉力が強く求められるので、弁護士にご相談されることをお勧めいたします。
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遷延性意識障害の治療法には、電気的な刺激を脳に与えるものがあり、脊髄後索電気刺激が代表的なものである。
遷延性意識障害患者の介護費用は、近親者が介護する場合には日額8,000円、看護士やヘルパーといった職業介護人に関しては実費を認めることがほとんどで、平均余命まで必要となるため高額となる。
聴覚は五感の中で最後まで遷延性意識障害患者が認識できる器官と言われているため、音楽や声などを患者に聞かせることにより、脳を刺激して活発化させると考えられている。
3カ月以上入院している患者に対して健康保険が病院に支払う保険点数は激減するので、遷延性意識障害の患者は、入院から2カ月以上経つと、病院側から転院を促される。
症状固定後は加害者に治療費は請求できないが、遷延性意識障害の場合、将来的な治療費や介護費を示談時に請求することができるため、弁護士に相談するのが望ましい。