歩行者が悪い場合でも、過失割合を負わなければいけないの?
【質問】
県内の片道3車線の国道を走行中に、飛び出してきた歩行者をはねる人身事故を起こしてしまいました。
事故の状況としては、夜間でしたが歩道との間にはガードレールがあり、歩行者は横断歩道まで行くのが面倒くさかったので、ガードレールを乗り越えて車道に入ってきた状態です。
その道を知っている人ならば、「あんなに交通量が激しく自動車専用みたいになっていて、道幅も広い国道を横断歩道以外で渡るなんて自殺行為」とも言われるような場所です。
被害者との交渉を任せている損保会社は、事故が起きてすぐに連絡をしたときには、「過失割合は1~2になるだろう」と言われました。
歩行者が圧倒的に悪いにもかかわらず、過失割合を負うことに不満があったのですが、最近になって被害者側から「過失割合は7:3で、自動車の方が悪い」と言いだしました。
こうなると1:9でも過失割合を負いたくないのですが、歩行者に事故原因がある場合でも、自動車側が過失を負わなければいけないのでしょうか?
【回答】
日本の道交法では、「歩行者優先」が定められており、歩行者と自動車との事故の場合、歩行者優先の考えから10:0と歩行者に過失を科さないことが多くあります。
そのため、事故原因が歩行者によるものでも、歩行者の過失が10となる事はほとんどなく、特殊な事例をのぞいて歩行者の過失の上限は9と考えた方が良いです。
ニュースなどで高速道路で自動車が故障して、外にいていた人が後続車にはねられたり、認知症の老人が高速道路に入り込んで自動車にひかれてしまったと言う事を聞きますが、高速道路は自動車専用道路であるため歩行者優先が適用されず、自動車の過失が問われない場合もあります。
そのため、質問者の場合、初めに保険会社が提示した過失割合の1~2と言うのは妥当なラインであると考えられます。
逆に歩行者側の「7:3」の過失割合は、質問者の事故の状況説明から判断すると少し無茶な主張のように思えます。
交通事故ではよく「保険会社が治療費を払うから大丈夫」と言われますが、実際には過失割合が決まるとその分が減額されることになります。
つまり、治療代が100万円かかった場合、過失割合が9ならば1割の10万円しか支払われないため、90万円は自己負担となってしまうことがあります。
また後遺症が残った場合に払われる損害賠償金なども減額されるため、被害者側の歩行者がそれに気づいて急いで過失割合の主張を変えてきた可能性も考えられます。
幸いなことに保険会社も過失割合は1~2との認識をされているみたいですので、その線で粘り強く交渉してもらえるように、保険会社と話をした方が良いでしょう。
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交通事故で入院した場合、医師から治療の必要性により指示があるなどでないと、個室利用料を加害者に対して請求することはできない。
車載カメラの映像などの決定的な証拠を用意したり、4者面談を行ったり、場合によっては第三者機関による事故調査をした方が良い。
駐車中の追突事故であっても、駐車違反の悪質性が認められる場合には、過失割合が0ではなく、10%~の過失割合を科せられるケースもある。
自動車と歩行者における交通事故の過失割合は、基本的に自動車が悪く、10:0となる。しかし、シチュエーションによっては歩行者にも過失割合が発生し、過失相殺される可能性はある。
遠方地であるために交通事故の示談を弁護士に依頼することをためらっているのならば、全国対応をしている弁護士事務所や弁護士団に、一度相談した方が良い。