交通事故の被害者による過剰な要求にはどう対処すればいい?
【質問】
2週間前に妻が歩行者をはねてしまいました。
とはいえ、歩行者の方にかなりの非があり、過失割合は妻:歩行者で4:6です。
交通事故後すぐに保険会社に連絡をして対応してもらってはいますが、自分の過失割合が高いにもかかわらず、「こっちは被害者で、しかも一人暮らしで入院するにしても困っている。病院に来て身の回りの世話をしろ!」と妻に対して高圧的に非常識な要求をしてきます。
私が対応していたら、はじめにきっぱりと断っていたのですが、妻は事故を起こした負い目からか、2・3回病院に行って謝罪したほか、買い物など、身の回りの世話をしたようです。
そのため、大した用でもないのに、妻の携帯に「買い物をしてくれ」「洗濯をしろ」と電話が入るようになりました。
一度、私が電話に出て「交通事故の対応は保険会社に任せているので、二度と直接連絡をしないように」と言いましたが、電話口で自分に都合の良い主張を喚き散らすため、話し合いになりませんでした。
妻には電話を着信拒否にするように言いましたが、公衆電話からもかけてくるので、根本的な解決になりません。
この場合、相手側からの過剰な要求にはどのように対応すればよいのでしょうか?
相手との電話を録音しておいたのですが、相手側から浴びせられた言葉の中には、明らかな脅迫や嘘が含まれており、脅迫罪などで逆に訴えることも出来るのでしょうか?
【回答】
交通事故における自動車保険会社の役割の一つに、相手側との交渉があげられます。
普通、保険会社は保険加入者が相手側に対して直接示談交渉しないように、直接会うことを控えるようアドバイスされているはずです。
保険会社からは、被害者の入院時に必要な身の回りの買い物などに対して入院雑費という形で補償をしたり、被害者の症状が重く介護人が必要と医師に判断されていれば、介護人の雇用費用も認めています。
つまり、保険会社側は被害者の身の回りのことを「金銭による補償」という形で行っているため、それ以上の事を加害者自身がする義務はないと言えます。
今回のケースでは、それを破って被害者(歩行者側)が過剰な要求をしてきて、質問者の妻がそれに応じてしまったことで、話がこじれてしまったと思われます。
過失割合的にも質問者側が折れる必要はないため、保険会社に連絡をして被害者への対応をしてもらうようにしましょう。
いくら被害者とは言えども、過分の請求や暴言などは脅迫行為にあたるため、保険会社の方には相手側との電話の内容を伝え、法的な対応策も同時にお願いする方が良いでしょう。
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交通事故で入院した場合、医師から治療の必要性により指示があるなどでないと、個室利用料を加害者に対して請求することはできない。
交通事故の後に被害者の過失により怪我が悪化した場合、交通事故の時点での損害以外は加害者と言えども補償する必要はない。
交通事故で当事者同士以外の第三者に損害を与えた場合には、過失割合に応じた補償をしなければいけない。
交通事故の示談を加害者と直接した場合には、保険会社から保険金が支払われなくなるため、直接の示談はしない方がいい。
加害者の持病が原因で起こった交通事故の場合でも、加害者に責任能力を問うことができる可能性が非常に高く、損害賠償請求もできる可能性が高い。