高速道路の追突事故で過失割合に納得がいかない場合には?
【質問】
1カ月前の連休中に、追突事故に遭いました。
高速道路を走行中にガス欠を起こしてしまい、路肩に寄せる間もなく急に減速したところ、後続車に追突されました。
高速道路であったため、後続車のスピードも80Km/hほど出ていたらしく、私の車も後続車も大破しました。
私や同乗していた家族もかなりの怪我をしてしまい、後続車の運転手はいまだに入院中という事です。
交通事故の治療費などについては、お互いの保険会社を通じて話し合っているのですが、過失割合が5:5と言われました。
追突事故の場合、車間距離をとっていなかった後続車が悪いので、過失割合は0:10となるはずなのに、高速道路という事で5:5だと保険会社が言って譲りません。
こっちは車が大破した上に家族4人とも入院をしたのに、過失割合が5:5というのは納得できないのですが、弁護士を雇って過失割合で争った方がいいのでしょうか?
【回答】
高速道路は「高スピードで自動車が走る専用道路」なので、一般道とは異なる過失割合が適応されます。
高速道路の基本として、「歩行者は立ち入らない」「理由なく走行車線で停車しない」「理由なく最低速度である50km/hで走行しない」「みだりに車線変更しない」というものがあります。
そのため、この基本から外れた行為により交通事故を起こした場合には、一般道路よりも過失割合が多く課されることになります。
質問者の場合、「ガス欠、走行車線、急ブレーキ」と3つも過失があることになります。
運転手が急ブレーキをかけたことが原因の追突事故の過失割合は5:5になりますので、保険会社が言ってきている過失割合は妥当だと言えます。
逆にガス欠は高速道路に乗る前に給油をしたり、途中のサービスエリアなどで給油をしたりして回避できたはずですので運転手の過失と言えますし、減速時に路肩方面の左側にウインカーを出していれば、後続車も注意して衝突を避けられたかもしれないため、過失割合が大きくなった可能性もあります。
たとえ急ブレーキでなく、完全に停車していた場合であっても、走行車線上であったならば過失割合は4:6と、停車していた自動車の方にも4割の過失が課されることになります。
(路肩の退避スペースで、停車板を掲示して停車している時の過失は0ですが、停車板の掲示がない場合には過失が1つきます)
高速道路は一般道路に比べて重大な事故になることが多く、事故の原因となる減速車や走行車線で停車した自動車に対しても過失割合が課されるため、注意が必要となります。
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玉突き事故の場合、最後尾の車両の過失割合が100%となることが基本であるが、先頭車両の急ブレーキなどの過失がある場合には、過失割合が変わることがある。
交通事故で、民家の壁や信号など第三者の所有物を破壊してしまった場合には、修理代などの弁償は過失割合に応じて支払わなければいけない。
交通事故における過失割合は、被害者が請求する賠償金に大きく影響する。相手の保険会社が決定した過失割合に納得いかない場合、根拠のある反論が求められる。
交通事故の損害賠償金が少なくて弁護士に依頼をためらっている場合には、弁護士費用特約に加入しているか確認をしたり、少額訴訟を検討してみると良い。
交通事故の被害者は、自賠責保険に直接請求することができる。このことを、自賠責保険の被害者請求と言う。