交通事故でむち打ちを負う人の割合が多い理由とは

交通事故に遭うとむち打ちになるイメージがありますが、実際には、事故による傷害のうちどのくらいの割合の人がむち打ちを発症しているのでしょうか?
平成25年の統計では、日本国内における交通事故が原因の死傷者のうち9割以上が軽傷で、その人数は約73万人です。
平成25年に交通事故に遭った軽傷者のうち、むち打ちになった人は6割でした。
つまり、統計上は、平成25年だけで約44万人がむち打ちになったことになります。
軽傷者のうち半数以上がむち打ちになっていることからも、交通事故でむち打ちになる可能性は極めて高いと言えます。
交通事故による死者の数は、昭和45年がピークで、年間1万6千人以上が交通事故で死亡しました。
その後は漸減、平成13年から平成26年まで、交通事故死者数は14年連続して減少しています。
平成27年度の交通事故死亡者数は約4千人なので、死亡者数はピーク時の1/4になったわけです。
しかし、交通事故でむち打ちになる人は、それほど減っていません。
シートベルト着用義務やエアバック装備などで、重大事故の発生件数は減る一方、傷害事故は、ピーク時の7割程度と、死亡事故に比べて減り方がゆるやかです。
原因は、車の運行量の増加、運転者の年齢構成の変化、地方の過疎化と都市への人口集中など多角的ですが、結果的に重大事故は減っても、むち打ちはそれほど減っていないのです。
むち打ちの診断の技術向上が病気の発見につながった
日本は、交通戦争と呼ばれた昭和40年代に追突による交通事故が多発しましたが、むち打ちと診断される人が現在と比べて劇的に多くはありませんでした。
当時、むち打ちと診断する検査はレントゲン撮影が一般的で、脊椎や脊髄を精密に検査して画像や数値を記録することが困難だったのです。
その後、MRI(磁気共鳴画像)検査、CT(コンピューター断層撮影)などの検査方法が広まり、むち打ちの疑いがある人の病巣を詳しく調べることができるようになりました。
以前はむち打ちによる不快症状を訴えても、特に悪いところはないと気質の問題にされていましたが、今なら科学的な検査で病気を証明できます。
保険会社にむち打ちを否定された方や、むち打ちによる後遺障害を申請しても審査に通らなかった方は、弁護士にご相談ください。
弁護士は、客観的な証拠をたんねんに集めて、事実確認をしてむち打ちを証明するお手伝いをいたします。
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交通事故で怪我をした直後は自律神経の中の交感神経が活発に働いていて痛みを感じにくいため、むち打ちは症状を感じにくいと考えられている。
交通事故によるむち打ちで弁護士に示談を依頼する際には、最低でも交通事故に精通した弁護士で、対応などに問題のないところを選ぶ必要がある。
むち打ちを負う交通事故に遭った被害者は、弁護士に依頼するタイミングを把握できていない事が多い。状況によって最善のタイミングを見極め、弁護士へ依頼すると良い。
身体の構造上、交通事故に遭うとむち打ちになりやすく、日々の習慣から首を動かしてしまうため、治りにくいときがある。軽度のむち打ちで治りが遅い場合、詐病にみられる事もあるので注意が必要である。
むち打ちは自己判断で治療をしなかったり休業したりすると、相手方から治療費の支払いや休業補償がされないことがあり、のちの示談交渉に大きく影響があるので、注意が必要である。
