交通事故ではむち打ちになりやすく、治りにくい理由について
「ほんの軽い接触程度の交通事故なのにむち打ちになって、病院にも通っているのになかなか良くならない。」という話をよく聞きます。
交通事故に遭うとむち打ちになりやすく治りにくい理由は、身体の構造上の問題もありますが、交通事故という条件と日々の習慣によるものが重なって起きていることが多いです。
むち打ちの原因は首のねん挫が多いのですが、細い首の上に5~6kgもある頭部がのっているので普段から首の負担は大きく、衝撃でねん挫をしやすい身体構造と言えます。
多くの動物が首が太く、種類によっては胴体と大きさが変わらないものもいるのに、人間の首は細くなっているため、ある意味首は退化した部分と言えます。
特に交通事故の場合、衝突時のスピード以外にもぶつかった自動車の重量も関係するため、スピードが出ていないとしても想像以上の衝撃が身体にかかります。
その上シートベルトをしていた場合、身体はシートベルトで固定されていますが、首から上は固定されていないので、衝突の際の衝撃が首に伝わり大きく頭が揺さぶられるため、むち打ちになりやすいです。
生活習慣にもむち打ちが治りにくい理由が
人の視野は両目で左右に約180度・上が約60度・下が約50度です。
一方で首の可動域は、前方に60度、後方に50度、左右に傾けるのが各50度、左右にひねるのが各90度です。
視野の範囲がすべてクリアに見えているわけではなく、視認できる範囲の視野はもっと狭くなります。
そのため、正面の視界より外れた部分を見るためには、身体ごと動かすか首を動かすかになります。
上記の様に首の可動域は意外と広く、身体を動かさずに首だけ動かして視野を変えるということを無意識にしているため、むち打ちで首を動かさずに安静にしていなければいけないのに、つい首を動かしてしまって悪化させ、治りにくい事があります。
では、首を動かさなければ治りやすいかというとそうでもありません。
身体の構造上、上体を起こした状態では頭部の重さが首にかかってきて、むち打ちの首には負担になります。
寝れば頭の重さから解放されますが、枕などで床と首の隙間を埋めなければ首の負担となり、むち打ちが治りにくくなります。
「むち打ちがひどくてずっと寝ているのに、治りにくい。」という場合には、枕があっておらず、余計に首に負担を与えているケースもあります。
頭と頸椎の形状に添った形の枕も販売されているため、そのような枕を利用するのもよいでしょう。
知らず知らずにむち打ちを悪化させてしまうと、治療期間が長引き加害者側に不信感を与えかねず、医師からも「普通は3週間ほどで治るのに、2カ月も治らないのは詐病では?」と疑われる可能性もあるため、治りにくいむち打ちの治療期間中は安静にするようにしましょう。
この記事を読まれた方にオススメの情報5選
交通事故によりむち打ちとなった場合、むち打ちが完治するまで治療を続けると治療費が増えるので、治療を終えるまでは損害賠償請求ができない。
むち打ちの治療で整体院の利用を保険会社に断られた場合、整体院の方から連絡をしてもらうからめ手を使うことも効果的である。
保険会社は交通事故によるむち打ちの治療は認めても、継続治療は認められにくいといった特徴があるため、完治するまではむち打ち患者側も対応策をとる必要がある。
保険会社はむち打ちの治療費の打ち切りを早期に言うことがあるが、医師から通院の勧めがある場合には通院を続けた方が良い。不当な打ち切りであれば弁護士から抗議してもらう方法もある。
交通事故によるむち打ちの治療が長引くのは、頸椎だけでなくその周辺の他の組織も傷付いているからである。後遺症が残った場合には後遺障害を認定してもらうために申請手続きに入る。