スピード違反(最高速度違反)によって起こる交通事故
スピード違反とは
一般にスピード違反と呼ばれているのは、厳密に言うと最高速度違反と言います。
制限速度、法定速度によって決められている「最高速度」に違反したスピードで走ることになるからです。
この項ではわかりやすく、以下、スピード違反という表現で統一したいと思います。
スピード違反は軽度のスピード違反をしたことのみで、交通事故の直接の原因になるということは稀です。
一方で、スピード違反以外に安全確認が不足していたり、徐行すべき場所でスピード違反をするなど、他の要因が重なると交通事故が発生する可能性が高くなります。
そして、さらに重大な事故につながっていきます。
スピード違反の危険性
例えば追突事故は、前方の自動車の状況をきちんと確認していないために発生します。
しかしスピード違反をしていなければ、追突せずに減速、停止できた場合もあります。
スピード違反をしていなければ発生しなかった事故なのです。
同様に、直進車がスピード違反をしていたため、右折しようとした自動車の運転手が判断を誤ってしまい、右直事故が発生してしまうこともあります。
このように、スピード違反は他の過失と合わさって交通事故を発生させてしまいます。
交通事故発生の原因となる
スピード違反の程度が大きい場合には、スピード違反が原因で交通事故を発生させてしまいます。
スピードが速くなればなるほど運転操作は難しくなってしまいます。
そのため、自動車のコントロールがうまくできなくなって交通事故が発生してしまいます。
その典型が、カーブでの交通事故です。
スピードを出しすぎたがためにカーブを曲がりきれず、対向車線にはみ出して交通事故が発生したり、道路の外に飛びだしてしまうことになります。
制限速度は、その道路を安全に走行できるスピードです。
すなわちスピード違反をするということは、その道路を安全に走行できるスピードを越えているということになります。
制限速度を超えるということは、その道路において危険な運転をしているという意識を持たなければなりません。
スピード違反による結果の重大性
交通事故の原因としてのスピード違反について述べてきましたが、スピード違反の一番怖いところは、自動車のスピードが事故の結果に大きな影響を与えることです。
自動車のスピードが速くなればなるほど、衝突した時のエネルギーが大きくなります。
そしてスピードが速くなればなるほど、交通事故が発生した際の致死率が上がっていきます。
時速5キロメートルで自動車が人に衝突しても、大けがをしたり、死亡したりする可能性は低いかもしれません(巻き込みや自動車の下敷き、引きずりの場合は除きます)。
しかし、時速50キロメートルなら、そして、時速100キロメートルなら、大怪我を負ったり、死亡したりしてしまうことが簡単に想像できると思います。
交通事故が発生してしまった場合に重大な事故にさせない為にも、スピード違反をしないようにしなければなりません。
スピード違反の意味合い
被害者からの損害賠償請求という点において、加害者がスピード違反をしているかどうかという点は影響してきます。
スピードが出れば出るほど危険回避が困難になりますから、スピード違反をすればするほど、その分過失が大きくなります。
スピード違反をして過失が大きくなるのは被害者側も同様です。
しかし、スピード違反を証明するのは簡単ではありません。
自動車の破損状況から自動車の衝突時のスピードを明らかにすることができます。
しかし、すべての事故において正確に衝突時のスピードがわかるわけではなく、また、衝突時のスピードしかわからないため、実際にスピード違反をしていたかどうかまではわからない事もあります。
スピード違反は犯してしまいがちな違反です。
実際に交通事故が発生してしまった後に後悔するのでは手遅れです。
制限速度や法定速度はきちんと守りましょう。
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