被害者が亡くなった死亡事故で正当な賠償金を受け取るには?

死亡事故は被害者が亡くなっているので、事故の当事者として、現場で何が起こったか詳細に説明できないため、被害者に不利な過失割合を主張されても十分な反論ができません。
しかし、実況見分調書や現場の写真などをもとに、事故発生の原因や状況を丹念に調査することにより、新しい事実を発見できる可能性があります。
事故現場が工事や建設作業で変貌することもあるので、調査に着手するのは一日も早いに越したことはありません。
平成12年に法律が改正された結果、実況見分調書は、被害者の親族や代理人弁護士が検察庁に直接請求できるようになりました。
開示対象は、実況見分調書だけでなく、写真撮影報告書、検視調書なども開示されます。
これらの資料を最大限に生かすには、やはり専門知識を持つ弁護士が閲覧するのが望ましいでしょう。
実況見分調書は、閲覧だけでなく、必要な場合は検察庁内でコピーを取ることができます。
ご自分で撮影した現場写真などの資料も重要な証拠になります。
供述調書は条件次第で閲覧可能
被疑者や目撃者等の供述調書については、以下の条件を満たした場合は開示されます。
・裁判所から不起訴事件記録中の特定の者の供述調書について文書送付嘱託された
・供述調書の内容が民事訴訟の結論を左右する重要な争点に関するもので、その争点についてのほぼ唯一の証拠である
・供述者が死亡するなどして、訴訟でその供述を顕出することができないか、裁判のいける供述者の供述と供述調書の内容が矛盾している場合
・供述調書を開示しても関係者の名誉やプライバシーを侵害しない
また死亡事故が他の交通事故と異なるのは、加害者は生きていて事故に関して思ったことを述べられるのに、被害者は、当日、現場で何が起きたかを話すことができないという点です。
しかし、被害者が持っている損害賠償請求権は、被害者の相続人に相続されます。
亡くなられた被害者の無念を晴らすには、事故現場で何が起きたのか丹念に調べて、正当な賠償金を請求してください。
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死亡事故の過失相殺では被害者本人の証言が反映されないため、被害者に不利になりやすい。遺族自身が調書や目撃証言、レコーダーや防犯カメラ映像などを確認のうえ検討する必要がある。
死亡事故で加害者に損害賠償能力がない場合、被害者遺族が十分な損害賠償金を得られないことがあるが、加害者が自動車保険に加入していたのならば、その保険会社に請求できる。
死亡事故の賠償金を受け取る人は、亡くなった被害者から賠償請求権を相続した相続人である。死亡事故により相続が発生したら、弁護士に相談することが望ましい。
保険会社は、自分たちに都合の良い判例を参考にして過失割合を主張することが多い。死亡事故の過失割合に納得できなかったら、弁護士に相談して十分な証拠を揃えて反論すべきである。
死亡事故では、被害者が生存していないため、自身で損害賠償の請求などの対応はできない。そうなると遺族の対応が求められるため、何をしていく必要があるのか、しっかりと把握するべきである。
