遷延性意識障害患者の症状固定時期は?
![2022.12:遷延性意識障害](../../uploads/img63a420d034dce.jpg)
遷延性意識障害で植物状態になった場合、症状固定の時期に悩むと思いますが、必ずしも早く症状固定をすることが良いとは言えません。
遷延性意識障害患者が症状固定をすることのメリットとデメリットを述べます。
交通事故で遷延性意識障害になった被害者の治療費は、保険会社が支払いますが、症状固定をした後の差額ベッド代(個室料金)は、医療費支払いの対象とならないので、患者の自己負担になります。
病院で個室に入院して治療を続ける場合は、差額ベッド代が負担になることを覚悟しなくてはなりません。
症状固定後、病院の勧めで自宅介護をすることを決意した場合、自宅に患者さんを迎え入れる準備が必要です。
車椅子が室内を行き来できるようなフラットな床、風呂場のリフォーム、介護ベッドや介護用のクッションなどのレンタルもしくは購入など、自宅で遷延性意識障害の人が暮らすには、さまざまな準備が必要です。
症状固定後は自己負担金が発生する
和解や裁判で賠償金額が決まるまで、職業介護人費用や自宅改造費用などは、被害者側が一時的に立て替えなければいけません。
最終的には後遺障害に関して発生した費用として保険会社から支払われるものの、立て替え期間が長期に及び、被害者家族の生活を圧迫することもあります。
しかし、症状固定をすると立て替え金が発生するので症状固定を見送ったままでいることによる問題もあります。
人身事故で怪我をすると、症状固定をする前は傷害、症状固定後は後遺障害とみなされます。
後遺障害を認定されると、損害賠償請求の際に後遺障害慰謝料を請求できます。
症状固定をしないままでは、慰謝料を含めた損害賠償金の計算に影響が出るのです。
症状固定をするべきかどうか悩んでいる遷延性意識障害患者のご家族は、弁護士にご相談ください。
この記事を読まれた方にオススメの情報5選
交通事故で遷延性意識障害を負った場合には、まず自宅介護を主張すれば、施設介護から自宅介護に変更するときに便利である。また、適正な賠償金を請求し、受け取るための術でもある。
遷延性意識障害による損害を考えるうえで、平均余命の決定は避けられない。平均余命は賠償金の支払いを一時金賠償とするか定期金賠償とするかのメリット・デメリットにも影響し、慎重に検討する必要がある。
交通事故で家族が遷延性意識障害となった場合、損害賠償の請求においていくつか意識すべき点がある。特に、将来の介護費用と自宅の改装費用については軽視せず、じっくり検討すべきである。
交通事故の被害者が遷延性意識障害となり、支払われる賠償金を分割で受け取る定期金賠償は、逸失利益で中間利息を控除しないので賠償金の総額が増える。
遷延性意識障害患者の看護にはお金がかかるが、自動車事故対策機構は、交通事故により困窮している人に対して生活資金を貸す生活資金貸付制度を行っているため活用すると良い。
![](../../media/base/space.gif)