遷延性意識障害の介護用品 大型用具編

交通事故などで遷延性意識障害となった患者を自宅で介護する場合、初めにある程度の介護用品を揃えておく必要があります。
後になってから順番に買い揃えていくのもよいのですが、遷延性意識障害患者を自宅に迎えるにあたって、大型の介護用具で最低限必要なものや、あると便利なものを紹介したいと思います。
・介護用ベッド
遷延性意識障害の患者が24時間いるものになりますので、なるべく快適なものを選びましょう。
最小限の機能でも上半身を起こせて、体がずれないようにひざ裏の位置が折れ上がるベッドでないと、日常的なケアで上半身を起こすだけでなく、遷延性意識障害の患者でも日中は上半身を起こしておくことが推奨されているので、フラットタイプだと起こすのだけでも大変になります。
手動でジャッキアップするものもありますが、電動式のものが望ましいと言えます。
介護用ベッドの中にはベッドの高さが上下できるものがありますが、床上10㎝の高さまで下げられるものもあり、「体位変換の時に落ちる心配がない」「ベッドシーツの交換などで一時的に患者を床の布団に移す場合も楽」と言った利点もありますので、介護者が高齢者や女性で非力な場合には、こちらを選んだ方が良いかもしれません。
また、電動でベッドが左右に揺れて患者の体位を簡単に変えられるので、床ずれになりにくいものもあります。
・サイドテーブル
病院でよくみられるベッドをブリッジする形のサイドテーブルですが、これの有り無しで介護での不自由さがかなり変わります。
ケアをするときに一時的に用具を置いたり、ウエットティッシュなど日常的に使うものを置いておいたりできるので、ぜひとも揃えたい介護用品になります。
あると便利なもの
・車いす
日常的に散歩や診察などで外出するのならば、購入もしくは長期レンタルをすると良いのですが、入浴サービスや往診サービスを受けていて、車いすを年に数回しか使わないのであれば、1日だけのレンタルや病院からの臨時貸与で済むこともあります。
・介護用リフト
ベッド・車いす間の移動は、意外に重労働であったりします。
介護用のリフトがあれば患者を釣り上げることができるため、移動が楽になります。
リフトには座位で移動するものや寝たままでも移動できるもの、天井にレールを設置するものや超小型のクレーン車のようなものなど、様々なものがありますが、どれも費用が高額となり、場所をとるものもあるため、導入には十分な検討が必要です。
・介護用自動車
自動車の中には車いすのまま乗車できるものや、後部座席がフラットになり寝たままでいられるものもあります。
特注となると思われるかもしれませんが、元から介護用にリリースされているものもあるので、思ったよりも価格も抑えられています。
「交通事故で遷延性意識障害となったのに…。」と敬遠される方もいらっしゃるかもしれませんが、交通事故のリスクを考えて介護タクシーや民間の救急車の使用するのも、費用がかかったり予約が必要などのことから、利便性を優先して自家用車を使用される方もいます。
この記事を読まれた方にオススメの情報5選
遷延性意識障害となった患者家族の中には、医療機関ではなく自宅療養を選択する人もいる。交通事故による遷延性意識障害ならば、自宅介護で必要な費用も含めて請求ができる。
遷延性意識障害患者を自宅介護する場合、家族だけが介護をするのではなく、職業介護人を用いてする方が負担が軽くなり、費用は加害者側に請求することが出来る。
遷延性意識障害の自宅介護のためにリフォームする場合、リフォームの箇所が認められなかったり、加害者側がリフォーム費用を支払ってくれないといったケースがあるため、事前に弁護士に相談をした方が良い。
遷延性意識障害患者に対して、自治体が独自に補助を行っていることがあるため、自治体の各部署に補助制度があるか問い合わせをした方が良い。
遷延性意識障害患者を自宅介護する場合には、おむつ以外にも衛生管理用品が必要となり、費用が負担となる事がある。弁護士に示談を頼んでおけば、そういった費用も含めて請求をしてもらえる。
