遷延性意識障害患者への自治体からの補助
家族が遷延性意識障害となられた場合、金銭的にも時間的にも困ることが多く出てきます。
公的な介護保険を利用してヘルパーを雇ったり、健康保険を利用したりと様々な工夫をされている遷延性意識障害の患者家族も多くいますが、意外に自分の住んでいる市町村が独自で行っている補助を知らないと言ったことがあります。
主に自治体の福祉課が行っているものが多いため、他の部署の担当は自分の自治体が行っている補助を把握していないケースがあり、「何度も遷延性意識障害の事で、市民税課や健康保険課に言っていたのに、一度も教えてもらったことがない」と、ご家族が遷延性意識障害となって何年も経ってから、補助があることを知ることもあります。
多くの自治体では、紙おむつの購入に対して補助を出しています。
毎月定額を支給するところもあれば、1年間で支払った分を領収書と引き換える形で清算と言うところもあります。
また、現金ではなく紙おむつ自体を現物支給するところもあり、紙おむつの支給申請を出しておけば、月2回宅配便で指定のサイズの紙おむつが自宅にまで届けてくれるところもあります。
医療道具に対しても補助がある場合も
また、高齢化により自宅で寝たきりの人を介護する方が増えたため、自宅介護時に必要な医療道具に関して補助を出している自治体もあります。
例えば、介護用ベッドや電気式たん吸引器などのリース代の一部負担や、電気式たん吸引器の使い捨てチューブの購入代金の支給、車いすやストレッチャーの一時的な無料貸与などがあります。
また、介護保険に該当しない年齢の遷延性意識障害の患者に対しても、介護ヘルパーの利用ができるようにしたり、歯科医の訪問受診が受けられる自治体もあります。
また、介護する側の家族のために、家族が入院や冠婚葬祭の時に一時的に遷延性意識障害の患者を預かるショートステイ制度や、高齢のために調理が困難な介護家族用に定期的に昼飯もしくは夕食をお弁当として宅配するなど、自治体により独自の補助を打ち出しているところも多くあります。
多くの自治体では、これらの補助を受けるのに年齢や世帯年収などで制限を設けていますので、事前に補助が使える条件を詳しく調べておく必要があります。
また、こういった補助は一度制定されると継続して行われることが多いのですが、年度が変わった時に支給条件が変わることもありますので注意が必要ですし、新たな補助政策が施行され知らない間に対象者となっていることもありますので、自治体から発行される広報誌には欠かさず目を通した方が良いでしょう。
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遷延性意識障害となった場合、救急搬送された病院にまずは入院することとなるが、3カ月経つと転院を余儀なくされる。
介護が必要な遷延性意識障害の患者であっても、40歳以下であれば介護保険の対象外となるため、介護保険を利用できない。
遷延性意識障害となり自宅で介護する場合には、最低でも介護用のベッドが必要になり、そのほかにもあれば便利な介護用品もあるので、導入を検討してみてもよい。
予断を許さない症状である急性期ではない遷延性意識障害患者は、入院から3ヶ月程度で転院を促される。症状固定をし、退院した後は、様々な事情から自宅介護を選ぶケースが多い。
遷延性意識障害は基本的に介護が必要となる。職業介護人を雇う、あるいはご家族が介護をするにしても、加害者側へ介護費用を請求できるため、弁護士を雇い、相手の保険会社と交渉してもらうのが望ましい。