脊髄損傷患者を身内が介護しても介護費用は請求できるの?
交通事故で脊髄損傷となった場合、症状の程度によって介護の必要性が高まり、医師からも介護を求められる事があります。
そして、職業介護人を雇わず身内で介護をなされる場合も多く、近年では家族間で介護をするのが当たり前のような土壌が出来上がっています。
こういった観点から、脊髄損傷患者を身内で介護する場合、相手の保険会社はそれが当たり前のように判断し、費用の支払いを渋るケースがあるのです。
しかし被害者にとってこれは納得のいかない事であると考えるかと思います。
脊髄損傷患者に介護が必要である場合、職業介護人を雇えば介護費用を補償してもらえるのに対して、身内でした場合には介護費用の支払いを渋られるとなると、職業介護人を雇った方が良いのではないかと考えるはずです。
ただ、やはり大切な家族のサポートは、身内で対応したいと考えられる事も多いです。
実際には、正当な主張を行えば仮に身内が介護をした場合に関しましても、介護費用として請求する事は出来ます。
身内が介護するといくら支払ってもらえる?
脊髄損傷により後遺障害等級が第1級に認定され、要介護の状態である場合、損害賠償額の算定基準が描かれている赤い本を基にすると、1日あたり8,000円の請求が可能です。
この金額はあくまで基準であり、介護の状況、後遺障害等級によって増減する可能性はあります。
また、仮に職業介護人を雇う場合には、依頼により発生する負担の実費全額の補償が原則とされています。
ただ職業介護人の場合、依頼日数や時間、人数なども影響し、相場に関しては判断が難しいのですが、後遺障害等級第1級の場合、日額にして15,000円から20,000円が認められる事があるのです。
日額にして20,000円を超える費用も認められるケースはあるものの、具体的な事情が関わってくるため、状況に応じて弁護士に相談するべきでしょう。
介護費用の請求における計算方法は、介護費用の日額と365日を掛け、さらに介護費用が認められる期間に応じたライプニッツ係数を掛けて算出されます。
将来的な介護費用はまとめて支払われる事から、預金すると利息が発生する事もあります。
まとめて支払いを受けると被害者はこの利息分も余計に受け取る形になるため、利息分を控除しなければなりません。
その際の利息分を計算するためにライプニッツ係数が使用されます。
仮に身内が介護する場合にも、日額の費用を算出して請求する事は可能なため、保険会社にごねられた場合、弁護士に相談してみると良いでしょう。
この記事を読まれた方にオススメの情報5選
交通事故で脊髄損傷を負い、被害者が介護の必要な状態に陥った場合、将来的な介護費用を請求すれば認められる可能性がある。正当な理由を主張するためにも、弁護士に相談してみるとより安心できる。
脊髄損傷による介護費用の請求は、脊髄損傷の重篤度により認められるときもあれば、認められないケースもあるため、事前に弁護士に相談して確認をした方が良い。
脊髄損傷患者を家族が介護をした場合でも、加害者に対して介護費用の請求ができるケースもあり、将来的な介護費用も請求できることがある。
脊髄損傷となって自宅介護する場合、職業介護人の費用を保険会社に請求することができるが、容体などによっては介護人の費用が認められないこともある。
脊髄損傷は損傷の程度により、足先の痺れや、下半身麻痺であったりと症状にばらつきがある。交通事故による怪我が原因で生活が困難になった場合、リフォーム費用を加害者側に請求できる可能性がある。