交通事故で必要になった家庭教師や塾の費用の請求はできる?
【質問】
まだ中学生の息子が休日に交通事故に遭い、手足を骨折してしまった事から、入院しています。
骨折のみでその他の大怪我はなく、一安心ではあったのですが、個人的には交通事故によって勉学に遅れが生じるのが不安で堪りません。
私たち夫婦は、息子には良い高校へ進んで欲しいと思っておりましたし、大学へ進学し、良いところで勤めて欲しいと願っていました。
勉学の遅れは中間試験や期末試験にも大きく影響する可能性がありますし、もしかしたら交通事故により勉強に遅れをとったことがきっかけで、今後もずるずる成績が落ちる可能性だってあると思います。
そこで一つの対策を考えたのですが、これまでは自宅で勉強させていましたが、塾や家庭教師を利用し、遅れを取り戻させるべきではないかと思いました。
しかしそうなるとこれまでかかっていなかった塾や家庭教師の費用が発生しますので、少なからず家計に負担のかかる事になります。
そうした場合、加害者に塾や家庭教師にかかる費用を請求する事は可能なのでしょうか?
遅れを取り戻したら必要なくなりますので一時的なものではありますが、決して無茶を言っている訳ではないと考えています。
【回答】
交通事故で負った怪我は、状態によって長期的な入院が必要になる場合があります。
社会人であれば休業損害を請求し、給料を保証してもらう事は可能なものの、勉学に励む学生さんに関しましては、少し話が変わってきます。
確かに、入院期間は勉学に遅れを生じ、テストにも影響が出かねません。
過去の判例より、勉学の遅れを補う事を理由に、学費に関する費用は認められるケースが存在します。
具体的な詳細は、怪我の程度であったり、年齢であったりする部分が影響するものの、塾や家庭教師にかかる費用を請求できる可能性は高いです。
ましてや、質問者様の場合、遅れを取り戻すまでの期間という事ですので、決して無茶な要求ではなく、一時的に必要であると主張しているものです。
中学生ですと関係ありませんが、仮に留年した場合には、必要な授業料や学費などに関しても認められる事があります。
よって今回の質問者様のケースを考えますと、塾や家庭教師にかかる費用は請求できる可能性が高いため、保険会社に交渉してみるべきです。
ただ、一個人が勉学に必要だと主張しても、何らかの理由をつけて拒まれる可能性が少なからずあります。
学費のほか、損害賠償の金額を底上げし、さらに塾や家庭教師の費用も請求できるように進めるため、弁護士に依頼してみると良いのではないでしょうか。
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交通事故の怪我が原因で入院した場合、被害者は個室を希望される場合が多い。しかし過去の判例からすると、そのほとんどは個室料金の請求が認められていない。
交通事故のトラブルにおいて弁護士を雇う事には様々なメリットがある。しかし、必ずしも支払われる賠償金の金額が増えるとは限らないため、弁護士費用特約の利用も視野に入れるべきである。
交通事故の怪我により入院などを余儀なくされて、学習に遅れが生じた場合には、学習を補助するための家庭教師代や、留年した際の学費などを加害者に請求ができる。
交通事故の後に被害者の過失により怪我が悪化した場合、交通事故の時点での損害以外は加害者と言えども補償する必要はない。
加害者の持病が原因で起こった交通事故の場合でも、加害者に責任能力を問うことができる可能性が非常に高く、損害賠償請求もできる可能性が高い。