主婦が交通事故にあった場合、休業補償はされないのでしょうか?
【質問】
先日交通事故に遭い、2週間の入院を余儀なくされました。
私は専業主婦であったため、入院している間は夫や幼稚園の娘の世話ができず、夫も子供の送り迎えで精いっぱいだったようで、退院してから家の掃除や後片付けが大変でした。
交通事故直後に保険会社から治療費についての説明があり、全額保険会社が負担しているため、持ち出しはありません。
しかし、その他の補償については、まだ話が出てきていません。
会社員などは交通事故で会社を休んだのならば休業補償が出ると聞いたことがあるのですが、専業主婦でも休業補償のようなものがもらえるのでしょうか?
また、主婦でも休業補償がされるのであれば金額はどのくらいで、日数などの計算はどのくらいになるのでしょうか?
【回答】
休業補償と言う名称から、会社員や自営業など仕事をしていないと補償されないと勘違いされやすいのですが、主婦であっても「家事従事者」とみなされ休業補償の対象となります。
付け加えると、家事従事者でなく無職であった場合は、休業補償の対象外になります。
会社員であった場合には、上限はありますが事故前3か月の収入を90で割ったものを休業補償の日額とするのですが、日常的な家事を金額化するのは難しいと言えます。
そのため、主婦の場合は自賠責保険の休業補償の最低日額の5,700円を基本として計算されることが多いです。
しかし、主婦の年収を賃金センサスと言われる、女性労働者の全年齢平均賃金から割り出したもので計算するべきとの最高裁の判決が出ており、平成28年では日給換算で9,750円になります。
また休業補償で補償される日数も、入院と通院した日数の合計となります。
2週間入院をして、完治まで20回通院したのならば、14+20=34日となります。
ですが、保険会社からこれらの事を丁寧に説明されることはまずありません。
保険会社からすれば、少しでも保険金の支払いを減らしたいからです。
「主婦だと休業補償はありません」
「休業補償は自賠責基準の5,700円です」
「休業補償されるのは入院期間の日数だけです」
と、事実とは異なる説明をされることがほとんどです。
そのため、3カ月入院、その後通院をしていて、100万円以上休業補償が受け取れるにもかかわらず、休業補償がもらえないと思い込み1円ももらっていないという方もいます。
個人で保険会社と交渉した場合、日額5,700円止まりと言う事がほとんどですので、入院期間が長かったり通院回数が多かったりする場合には、弁護士に交渉してもらった方が弁護士費用を差し引いても得となる事が多いです。
この記事を読まれた方にオススメの情報5選
個人事業者などで確定申告をしていない場合でも、帳簿による収入か賃金センサスで休業補償を計算することが多い。
ひき逃げは交通事故の中でも悪質とされており、保険会社との交渉において保険金の増額を訴える要件としても認められる。
交通事故で労災が使える場合には、自動車保険だけで補償してもらうよりも、労災と併せて補償してもらう方が、手厚く補償してもらえる。
交通事故の示談を加害者と直接した場合には、保険会社から保険金が支払われなくなるため、直接の示談はしない方がいい。
交通事故で治療をしていて、医師から症状固定をされてしまうと、それ以降の治療費の支払いが保険会社からされなくなる。