加害者と自動車保険の保険会社が同じ場合でも問題はない?
【質問】
県道の信号のない交差点で、自動車同士の衝突事故を起こしました。
警察が来て実況見分をしてもらったのですが、どちらにも同じくらいの過失が有るだろうと言われ、相手方とも5:5の過失割合になる事と、お互い人身事故にすること、自動車保険を使って損害賠償をすることの了承はとりました。
翌日、加入している保険会社に事故の連絡をしたところ、相手方も同じ損害保険会社の自動車保険に加入しており、すでに相手方からの連絡が入っているとのことでした。
電話を切った後ふと思ったのですが、相手方と保険会社が同じと言う事で、保険金が減ったりとかのデメリットは無いのでしょうか?
反対に同じ保険会社であることのメリットはあるのでしょうか?
【回答】
自動車保険を取り扱っている損害保険会社は数多くありますが、加害者と被害者が同じ損害保険会社の自動車保険に加入していることはままある事です。
同じ自動車保険に加入していることのメリットとしては、加害者と被害者の損害保険会社が同じであるため、お互いの連絡や事務処理などがスピーディーであることが挙げられます。
加害者・被害者双方から出された書類も社内で並べて確認できるため、もし相違があってもすぐに訂正のための手続きが出来たり、社内の担当間で進捗状況を確認しあったりできるメリットがあります。
デメリットとしては、保険金額が低くなる可能性がある点です。
加害者・被害者の保険会社が同じ場合には保険金を1社が支払う事なので、加害者・被害者両方の保険金額を1社がコントロールしやすくなります。
自動車保険は、自賠責保険の上に任意の自動車保険がある二階建て構造で、自賠責保険で賄いきれなかった分を保険会社から支払うことになります。
そのため、加害者・被害者双方の治療費や損害賠償金を低額に抑えて、自賠責保険の金額よりも多くならないようにすることもある意味可能です。
仮にむち打ちで2カ月通院している時に、保険会社から「同じようなむち打ちだった、相手方の治療は終わってるんですがねえ。」と言われてしまうと、無知な被害者の場合「もう、通院は辞めた方がいいかな?」と思ってしまうこともあるからです。
保険金に関して不安がある場合には、弁護士と言うワンクッションを入れることにより、不安を取り除くことができます。
保険会社からいろいろと言われても弁護士の方でキチンと反論してくれますし、正当な保険金額を手にすることができますので、保険会社に不信があるようでしたら、弁護士に相談をした方が良いでしょう。
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SAPの無保険車傷害保険に加入している場合には、契約車両搭乗時の交通事故のほかに歩行中であっても、無保険車や任意保険ではカバーできない人身傷害に対して補償してくれる。
交通事故の過失割合は当事者同士で自由に決められるが、保険会社が介入している場合には決められた過失割合から大きく外れた示談をすることはできない。
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