肩痛の原因はむち打ち?対処法はどのようなものがある?
交通事故でむち打ちを負った際に、肩の痛みを伴うことがあります。
むち打ちと同時に肩を強打したために起こる事もありますが、むち打ちしか受傷していないにもかかわらず肩痛が起こることがあります。
「以前からの肩こりがひどくなったのかな?」、「首だけでなく肩を打ったのかな?」と軽視していると、だんだんと肩痛がひどくなることもあります。
むち打ちは、頭が大きく振られることにより、首の骨や筋肉が受傷し痛みが発生することを指します。
首の筋肉は独立した一つの筋肉ではなく、肋骨から頭部へつながる斜角筋群・胸鎖乳突筋、肩甲骨から頭部へつながる僧帽筋、他には肩甲挙筋・菱形筋・小菱形筋・大菱形筋・後頭下筋群・椎前筋群・舌骨下筋群・頭板状筋・頚板状筋・広頚筋・頭半棘筋など、12以上の筋肉から形成されています。
僧帽筋は首から肩甲骨全体を覆っているだけでなく、腕の三角筋ともつながっています。
そのため、僧帽筋に損傷が起こると、損傷個所は『怪我』として痛むのですが、損傷箇所以外の僧帽筋は筋肉が緊張しやすくなるため血流が悪くなり、いわゆる肩こりと同じ症状が出ます。
僧帽筋以外の首の筋肉が損傷した場合でも、僧帽筋と綿密な関係があるため、僧帽筋の動きが悪くなり、結果として肩痛を引き起こすことがあります。
むち打ちが治っても肩痛が治らない場合も
むち打ちが起こった場合、治療のために首を極力動かさないようにするため、首周りの筋肉が固くなってしまい、肩痛も引き起こされることはよくあることなので、軽度の肩痛の場合には鎮痛剤が配合された湿布を塗布する処置がされます。
この場合、筋肉の緊張や血流が良くなるというよりも、痛みを軽減するのを目的としているため、根本的な治療にはなりません。
『首を動かさない、無理のない範囲で肩を回すストレッチをする』、『肩に張る湿布は鎮痛よりも、血流を良くするものを処方してもらう』などの、肩の筋肉の緊張を和らげるようにすると、肩痛が軽減します。
むち打ちが治るにつれ肩痛も軽減することが多いのですが、むち打ちが治ったにも関わらず肩痛が治らないといったケースもあります。
検査をしても肩に異常がみられず、肩こりと診断されるケースが多く、実際に治療中に肩を動かさなかったことによる筋肉のこわばりが原因であることがほとんどです。
この場合、肩のストレッチをして筋肉をほぐすことで、快方に向かいます。
しかし、これらの処置をしても肩痛が治らないケースがあり、この場合は肩腱板損傷が疑われます。
肩腱板とは肩の内側にある肩と腕をつなぐ腱で、通常のレントゲンでは映らず、エコー検査では映ります。
そのため、レントゲンを見ただけでは首や肩の骨に異常がないため、肩痛も『むち打ちによる副次的な症状』と見過ごされるケースが多々あります。
肩腱板損傷の治療には手術が必要な場合もあるため、長期間痛む場合にはエコーによる精密検査をしてもらう方が良いでしょう。
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むち打ちの症状が長引く原因としては、筋肉組織の重傷、骨の損傷・神経組織の損傷などが考えられるので、MRIを主体とした精密検査をする必要がある。
むち打ちになる原因の第1位は交通事故である。交通事故の衝撃で一瞬にして頸椎、椎間板、関節包、頸部の筋肉などを損傷してしまう恐れのある重い傷害である。
むち打ちの症状が交通事故から数日後に出る理由には、身体的な理由と心因的な理由があるため、数日後にむち打ちの症状が出ることは珍しくない。
一般的なむち打ちの治療は、湿布や鎮痛剤の投薬や頸椎の牽引などがあるが、むち打ちの種類によっては手術や特殊な治療が行われる。
むち打ちでも医師からの後遺障害である旨の診断書があると、後遺障害として認定されるケースがあるが、治療頻度や治療期間などいくつかのハードルがあるため、弁護士からアドバイスを受ける方が良い。