むち打ちだと支払われる保険金が減額される?!
「交通事故でむち打ちになり、通院しているのに保険金が十分支払われない」と相談に来られる方がいます。
交通事故の場合、保険会社は保険金の支払いを渋る傾向があるため、むち打ちの保険金が驚くほど少ないといったケースもあります。
ですが反対に、交通事故の被害者で「むち打ちの症状だけで、それほどの保険金を希望するのは無茶です」と、正直に言わざるを得ないケースもあります。
交通事故でむち打ちを負った場合には、「治療費」・「通院のための交通費」・「休業補償」・「通院慰謝料」のこの4つが基本的に支払われます。
「治療費」と「通院のための交通費」は実費と言ってもいいため、本当に必要な治療のためである場合には争いとなることはほとんどありません。
しかし、患者側が必要な通院と主張しても、保険会社が認めないこともあります。
むち打ちの7割以上は「首部分の筋肉の捻挫」ですので、おおよそ2週間までで治ると言われています。
つまり、それ以上の通院となる場合には、「首部分の筋肉の捻挫」以外の理由が必要となってきます。
脊髄の部分損傷であったり、頸椎の剥離骨折など他の理由がない限りは、保険会社が一方的に治療費の打ち切りを言ってくることもあります。
それに対抗するには、患者自身が「首部分の筋肉の捻挫以外のむち打ちの原因」を保険会社に提示しなければならず、ただ「むち打ちが良くならない」だけでは、保険会社の治療費の打ち切りは不当とは言い切れないのです。
意外ともめる通院慰謝料
交通事故の被害者がむち打ちで、保険会社から直接受け取る保険金に占める大きなものに通院慰謝料があります。
通院慰謝料を簡単に説明すると、「交通事故で通院を余儀なくされたので、そのストレスや怪我の痛みに対する慰謝料」ということになります。
通院慰謝料は自賠責基準で「4,200円/日」ですが、算出には独自の計算方法がとられます。
実際に通院した日数の2倍、もしくは通院した期間の日数を比べて短い方を、先程の日額にかけて出します。
もし、むち打ちの治療が完治するまでに30日間かかり、その間10日通院した場合は、「期間は30日、通院の数から見れば10×2=20日」となるため、短い方の20日が採用されます。
そのため、むち打ちの患者は「完治するまでに30日もかかったのに、通院慰謝料は20日分しか出ない!」と不当に減額されたかのように感じることもありますが、計算の基準がそうなっているため、理解を示す必要があります。
この記事を読まれた方にオススメの情報5選
自賠責保険の怪我の治療費などの支払い上限は120万円であるため、むち打ちの治療費などが120万円を超えると、保険会社は治療費の打ち切りを言ってくることが多い。
自賠責保険の傷害に対する損害賠償額の上限は120万円であるため、むち打ちの治療費等をその範囲内に収めようと、治療費の支払いの打ち切りを保険会社が言ってくることがある。
むち打ちの通院であっても、生命保険の通院医療保険などは保険金の支払い対象としているものもあるので、加入している保険を確認した方が良い。
むち打ちの示談金の内訳は、『治療費』・『休業補償』・『通院(入院)慰謝料』が大きなものであるが、慰謝料以外は支払いや補填に使われるため、実際に被害者に残るのは慰謝料のみである。
むち打ちの治療で整体院の利用を保険会社に断られた場合、整体院の方から連絡をしてもらうからめ手を使うことも効果的である。