自動車対自動車の出会い頭事故とは
ここからは、自動車対自動車の交通事故を前提に、交通事故の態様による類型について説明します。
自動車と自動車の事故は、人が自動車に守られている一方、スピードが出ており、重大な事故になってしまうことも多いです。
・出会い頭事故
自動車の出会い頭事故とは、進行方向が異なる自動車が交差点において、「出会い頭」に衝突する事故です。
なお、出会い頭事故という場合、その対象は自動車に限られず、自動車対歩行者、自動車対自転車の場合も出会い頭事故と言いますが、ここでは自動車同士の場合に限って説明します。
出会い頭事故の場合、双方の自動車の過失割合は、自動車進行の優先関係と自動車の速度によって決まります。
優先順位が高い方が過失が小さくなりますし、優先順位が低い方が過失が大きくなります。
もっとも優先順位に差があるのが、青信号で進んだ自動車の過失と赤信号を無視した自動車の過失(0:100)です。
また、速度、すなわち減速したかどうかということや、夜間か否か、交差点に先に進入していたか、などが考慮されます。
出会い頭事故は、一方又は双方の自動車がスピードが出ていると、重大な事故になりやすい類型です。
特に自動車の側面に衝突した場合には、重大な事故になりやすいといえるでしょう。
一方で、細い道同士の場合、双方ともスピードが出ていないことが多いので、重大な事故にはなりにくいです。
出会い頭事故は、信号機のない交差点において非常に発生しやすい事故です。
信号機によって交通整理がされている場合、基本的に進行方向が異なる自動車は進行できないため、出会い頭事故は、信号無視をするか、信号機の設定がおかしい場合(平成27年、実際に神戸で青信号の時間が重なることを理由に刑事裁判が無罪になりました。現在では解消されています。)ぐらいにしか発生しません。
しかし、信号機が無ければ運転者の判断で自動車を進行させなければならないので、そこに何らかのミス(過失)があれば、交通事故が発生してしまいます。
出会い頭事故が発生する交差点としては、一時停止のある交差点がとても多いです。
この場合、一時不停止という過失により交通事故が発生していることが多いです。
一時不停止とは、ここでは、一時停止を故意に無視したり、標識や標示を誤って見落としてしまった場合のこととします。
信号の無い交差点では、一方の道路に一時停止の標識、又は標示があることも多いと思います。
一時停止の指示がある道路は、交差する道路から見れば、建物等により見通しが悪い場合が多く、自動車の存在を直前まで確認できないことが多いです。
また、一時停止の無い側の道路の方が広く交通量も多い場合が多いです。
このような状況で、一時停止がある側の道路を通行する場合、一時停止をしなければ、交差する道路の自動車から見ると、突然自動車が飛び出してくるという状況になってしまいます。
交差点まで距離があれば、交差する道路の自動車を減速、停止させて、事故を回避することも可能かもしれませんが、距離が短ければ自動車同士が衝突してしまうことになります。
一時停止はきちんと守らなければなりませんが、詳しくは、交通事故の原因のところで述べたいと思います。
一時不停止と似たものに、交差点の優先車両の進行を妨害してしまう場合もあります。
交差点における自動車の進行について、優先順位が決まっています。
詳しくは、交通事故の原因について説明する機会に書こうと思います。
例えば、2つの道が交差していて、明らかに一方の道幅が広い場合(2倍が目安)、広い道を走る自動車の進行が優先されます。
そのため、細い道の自動車が進行すると道路交通法違反になってしまう可能性があります。
交差点を通行する優先順位が決まっていることから、優先順位に従って走っている自動車に対し、優先順位に違反して自動車が進行してきた場合、交通事故が発生してしまいます。
優先順位の違反も、優先順位を故意に無視する場合だけでなく、優先順位を勘違いするなどして自身が優先すると思い込んで進行する場合もあります。
優先順位を守ることは、交通事故発生の予防だけでなく、円滑な道路交通にも影響するので、しっかりと理解して、守っていかなければなりません。
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