家族が死亡事故に遭った後にするべき遺族の相続手続き

死亡事故が発生した場合、遺族は被害者から損害賠償請求権を相続できます。
ただし、仮に被害者に借金などのマイナスな財産があった場合、その返済義務も負う必要があり、損害賠償請求権のようなプラスとなる財産のみを引き継ぐ事は認められません。
そのため、マイナスとなる財産を相続したくないと考える場合、プラスとなる財産を含め、相続放棄をしなければならず、それは家庭裁判所へと申請する必要があります。
相続放棄する場合、民法で期間の制限が定められており、自身に相続の権利がある事を知った時から、3ヶ月以内に相続について、承認あるいは放棄をしなければならないのです。
要するに、被害者の死亡事故を知ってから3ヶ月以内の対応が求められるという事になります。
死亡事故での相続における注意点
死亡事故となり相続を承認するか、放棄するかを3ヶ月以内に決めたとしても、仮に一度、承認してしまった場合、後から撤回して放棄する事は出来ません。
加えて、死亡事故における賠償金を受領した場合、それは相続を承認したものと考えられてしまうため、これもまた放棄する事が出来なくなります。
このような事から、死亡事故における賠償金を受領する前に、発生する賠償金を上回ってしまうほどのマイナスの財産がないか、確認する事が重要です。
この確認は、保険会社から提示される賠償金に比べて、裁判所基準に基づいた賠償金の方が高額になる可能性があるという部分も考慮した上で判断が求められます。
また、仮に相続を放棄した場合であっても、遺族特有である慰謝料を請求する事は可能で、加えて損害賠償の性質ではない自動車保険の保険金、相続人が受取人である生命保険等については受け取る事が可能です。
もう一点、注意点として、相続税を申告する事においても、期間が制限されています。
相続税の申告は、死亡日の翌日から10ヶ月以内です。
基本的に死亡事故における賠償金は非課税なものの、賠償金としての性質を有さない保険金に関しては課税の対象となります。
相続税の申告期限がギリギリになってしまわぬよう、できる限り早めの対応が求められるでしょう。
これらの確認や手続き等をご遺族が全て対応するのはとても大変な事です。
期間がある以上、速さが求められますし、正確性も欠かせません。
そういった事では、弁護士に依頼し、手続き等を任せてしまうのも、一つの手段として考えられるでしょう。
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家族が死亡事故に遭った場合、警察や保険会社、あるいは葬儀社とのやりとりをしなければならない。それらの負担を抑えられるメリットがあるため、弁護士へ依頼するのもひとつの手段である。
死亡事故の遺族は、葬儀や示談・遺産相続など多数の手続きが必要となってくるため、弁護士にアドバイスをもらいながら手続きを進めていく方が良い。
家族が死亡事故に遭った際に請求できる慰謝料は死亡慰謝料と呼ばれ、死亡した被害者本人に対する本人慰謝料と被害者の近親者に対する慰謝料といった内訳は2種類に分別される。
ご家族が死亡事故に遭われると、正常な判断ができなくなる可能性があります。抜けのないよう、損害賠償を全て請求するためにも、その種類についてはしっかりと把握しておく事が大切です。
家族が死亡事故に遭った場合には示談交渉を行うが、損害賠償請求権の時効は事故日から5年である。しかし、提訴や催告、承認などで時効の更新(中断)を行う事が出来る。
