遷延性意識障害患者を自宅介護する場合に重要となる衛生管理
遷延性意識障害患者を自宅介護する場合に、一番重要となるのが衛生管理です。
遷延性意識障害患者は1日中ベッドで寝ていることが多く、自宅で入浴するのも困難です。
また、排泄も介護用のおむつを使うため、遷延性意識障害患者の身体の清拭や、汚れたおむつの処分など、衛生管理に努める必要があります。
他にも、肺炎やインフルエンザなどの感染のリスクがあるため、殺菌作用のある加湿器や空気洗浄機を使われている家庭もあります。
身体を清潔に保つためには入浴が一番なのですが、遷延性意識障害患者を入浴させる設備を自宅介護でそろえるのはかなり難しいため、入浴サービスを利用するのが一番です。
入浴サービスの場合、入浴設備を搭載した特殊車が自宅まで来て入浴する、もしくは、入浴設備のある介護施設に行って入浴することが多いです。
介護施設に行って入浴する場合は、送迎付きのデイサービスであれば、遷延性意識障害患者家族の負担が少なく、介護施設に行っている間の時間に患者のベッドシーツを交換することもできますので、衛生管理をしやすくなります。
こういった介護サービスが受けられない場合には、清拭が中心となります。
蒸しタオルやお湯で濡らしたタオルで体を拭くのですが、体を拭くためのウエットシートを使う方法もあります。
また、頭部についてはドライシャンプーと言われるお湯を使わない洗浄剤もありますので、うまく使うとよいでしょう。
自宅介護する前に病院と弁護士に相談を
遷延性意識障害患者の自宅介護をして、初めて「え?こんなに衛生用品が必要で、毎月こんなにかかるの?」と、驚かれることがあります。
おむつはパッと思い浮かびやすいのでおおよその金額が思いつくのですが、おむつ交換だけでも「洗浄綿」・「おしりふき」・「からだふき」・「おむつ処理用袋」・「交換時の使い捨て手袋」など、様々な衛生管理用品が必要となってきます。
遷延性意識障害患者の介護のためには絶対に必要であるため、予想していなかった金額が毎月必要になるということが分かり、患者家族が困るといったこともあります。
そのため、自宅介護を検討している場合には、病院の医師やケースワーカーなどに相談をして、自宅介護に必要な物を漏れなく聞いておき、月にどのくらいの量が必要かも事前に確認しておきましょう。
しかし、病院によってはあまり教えてもらえなかったり、必要量は教えてもらっても費用的にはどのくらいになるかはわからなかったりするケースもあります。
その場合、交通事故に精通した弁護士に示談を依頼しているのであれば、弁護士に費用的な相談をするのも良いです。
交通事故に精通した弁護士であれば、遷延性意識障害患者が自宅療養した場合の費用を算出して示談した経験が豊富なので、示談後に衛生管理用品の購入費用に困るといったことが起きにくくなります。
この記事を読まれた方にオススメの情報5選
交通事故で遷延性意識障害を負った場合はまず、自宅介護の主張や立証を行うべきである。今現在は自宅介護を選択できずとも、今後自宅介護を選択する可能性も残しておくためである。
遷延性意識障害の自宅介護のためにリフォームする場合、リフォームの箇所が認められなかったり、加害者側がリフォーム費用を支払ってくれないといったケースがあるため、事前に弁護士に相談をした方が良い。
遷延性意識障害の患者を自宅で家族が介護する場合、家族による介護費用の補償がされることがあるが、絶対的なものではないため、示談前に弁護士に相談をするほうが良い。
遷延性意識障害患者の家族が就業しており、家族での介護が難しい場合でも職業介護士を雇って介護することは可能であるため、示談時に将来的な介護費用を請求するとよい。
遷延性意識障害患者は褥瘡が起きやすいため、交通事故で家族が遷延性意識障害となった場合、褥瘡予防効果のあるベッドやマットレスを用いると、体位変換の介護が容易になる。