脊髄損傷で会社から解雇を言われた場合には?
脊髄損傷となった場合、治療やリハビリ、今後の生活など、悩みは山盛りと言ったところですが、多くの人が抱える大きな悩みが「勤めている会社はどうしよう。脊髄損傷を理由に解雇されるのでは…」と言う事です。
脊髄損傷は、受傷の度合いや職種によって、復職できるかは大きく左右されます。
足が少し動かしづらい程度の症状であれば、大半は復職は可能だと言えます。
しかし、トラックの運転手が下半身不随の脊髄損傷を負ったのであれば、トラックの運転は無理ですので、復職は絶望的だと言えます。
また、下半身不随でもデスクワークであれば復職できる可能性もあり、一概に「脊髄損傷=解雇」とはなりません。
とはいえ、会社自体が脊髄損傷患者が働ける環境であるか、何より経営者や社員が脊髄損傷に対して理解があるかによって、復職できるかは大きく変わってくることでしょうから、会社の人事、場合によっては経営者とよく話し合いをする必要があります。
会社側から解雇を言われたら?
時として、事故直後に脊髄損傷を理由に解雇を言ってくる会社も無きにしも非ずです。
会社の勤務時間中に交通事故に遭い、脊髄損傷となった場合には労働災害が適用されるため、会社側は解雇することはできません。
また、休日中などのプライベートな時間で事故に遭遇した場合でも、直ちに解雇ではなく休業期間を経て、医学的な見解から「復職は不可能」との判断により、やっと解雇できることができるのです。
ほとんどの会社では休業補償金が出る1年半か、もしくは1年を休業期限としており、交通事故直後の解雇は労働基準法からも不当解雇とみなされることが多いです。
そのため、交通事故直後に会社から解雇を言ってきた場合には、違法であることを説き、休業期間終了前に再度話し合うようにした方が良いでしょう。
それでも話し合いに応じない場合には、労働基準監督署に相談をしましょう。
逆に、脊髄損傷の事を詳しく説明をしたおかげで経営者が理解を示してくれたため、休業補償期間を過ぎても無給ではあるが在職扱いしてくれたり、車いすでも出社できるようにトイレや玄関をバリアフリーにするなど社員思いの会社もあります。
もし、事故直後から弁護士に依頼していた場合には、弁護士を通じて会社に対して抗議してもよいでしょうし、代わりに労働基準監督署に申し立てしてもらうと言った方法もあります。
交通事故にあった場合は、すぐに会社に休業の手続きをして、その休業期間内に復職もしくは解雇の判断をすればよいので、交通事故直後に解雇されたり、自分から退職する必要はありません。
この記事を読まれた方にオススメの情報5選
脊髄損傷のなかでも頚髄が損傷すると、自律神経障害がみられることがある。症状として体温調節機能の低下や血管運動神経の障害、異常疼痛や異所性骨化などがみられる。
脊髄損傷でまれに上半身麻痺が起こることがある。珍しい症例のために脊髄損傷との因果関係に気付かない医師もおり、示談が不利になるケースもあるため、交通事故に詳しい弁護士に相談をするとよい。
脊髄損傷患者が受傷後に自宅マンションに住み続けるのが困難といった問題が起こった場合、改装や引っ越しを検討しなければいけない。その場合、弁護士に依頼をしてアドバイスを受ける方が良い。
脊髄損傷での患部回復の可能性はないとされ、治療では脊椎の安定、さらなる損傷の予防、リハビリ促進を目的とする。一方で、脊髄の再生を目指す医学的研究が続けられ、興味深い結果が出ている。
自賠責保険の運用変更で、以前から脊髄損傷でまひがあっても、交通事故で新たにしびれが生じた場合には、弁護士に示談交渉を依頼すれば新たなしびれに対する分の請求をすることができる。