交通事故の相手が自賠責保険未加入だったときの対処法
【質問】
側道を歩いていた母が、駐車場に入ろうと左折してきた車に接触される交通事故に遭いました。
すぐに病院に運ばれて治療を受けましたが、幸い数日で退院でき、今は通院で様子を見ています。
話を聞いてみると、車を運転していたのは助手席に乗っていた所有者の友人で、しかもこの自動車の自賠責保険が事故当日には切れていたというのです。
任意保険にも加入しておらず、保険未加入の車に怪我をさせられたということが分かりました。
普通の交通事故なら、相手方の保険会社と話を進めて慰謝料を払ってもらうと思うのですが、この場合どうしたら良いのかと途方に暮れています。
被害者として誰に何を尋ねればいいのかもわからない状態です。
相手の方もどうしたらいいか分からないらしく、「確認してみます」と言ったまま連絡がありません。
ちなみに、運転手と所有者は、仕事中で昼食のお店に入るところだったそうです。
自分で調べてみて、国民健康保険で入院費や治療費を支払ってもらえる第三者加害者請求というのがあると知り、ひとまず申請してみようと思いますが、加害者が保険未加入でも手続きできるのでしょうか。
【回答】
第三者加害者請求のために届け出る「第三者行為による傷病届」は、加害者が保険未加入の場合でも提出可能です。
加害者の自動車保険会社・自賠責保険会社の記入欄を空欄のまま提出することになりますが、差し支えありません。
交通事故を起こした車が自賠責保険未加入の場合、加害者と同居する親族が所有する車の自動車保険で「人身傷害保険」の契約があるかどうかを確認してもらいます。
この契約があれば、保険会社から治療費や賠償金を支払ってもらうことが可能です。
請求できるのは、治療費、休業損害、精神的損害に対する慰謝料、後遺障害が残った場合の逸失利益です。
保険会社から支払われ、後日保険会社が加害者である運転者・車の所有者に請求をすることになります。
同居の親族がいない場合や、親族が加入する自動車保険の人身傷害保険がないとなれば、加害者である運転者、自動車所有者に直接、示談交渉することになります。
両者には法律上の賠償責任が生じています。
業務中の運転であれば加害者の勤務する会社にも請求可能ですが、休憩時の交通事故となると難しいかもしれません。
加害者に賠償能力がない場合や交渉が難航する場合、自賠責保険を扱う保険会社を通じて、政府保障事業への請求手続きを行います。
ただしこれは最終手段ですので、まずは上記の方法を取ってからの話になります。
自分には荷が重いと感じたり不安なときには、弁護士に相談してみることをおすすめします。
この記事を読まれた方にオススメの情報5選
交通事故の被害者が交通事故以外の原因で死亡した場合には、加害者は死亡日までを補償すればよい。
SAPの無保険車傷害保険に加入している場合には、契約車両搭乗時の交通事故のほかに歩行中であっても、無保険車や任意保険ではカバーできない人身傷害に対して補償してくれる。
自動車に無償で同乗する好意同乗であっても、近年では好意同乗を理由に同乗者への減額はされない傾向が高い。
家族といえども交通事故の当事者ではないため、支払い能力がない加害者の代わりに賠償金を支払う義務はない。ただし、任意での支払いは可能であるほか、家族にも賠償責任が生じるケースがある。
交通事故で入院している期間の休業補償は、会社の休日(土曜や日曜など)は除外されて計算される。しかし、有給を使って休んだ分に関しては休業補償の対象となる。