交通事故の示談はどんな弁護士に任せれば良い?
【質問】
赤信号で停車中に、わき見運転をしていた自動車に追突されました。
加害者の保険会社と私とで示談交渉をしているのですが、保険会社の対応があまりにも悪く、2カ月間交渉していますが精神的に参ってしまっています。
私が加入している自動車保険には弁護士費用特約が付いているため、弁護士を雇って対応してもらおうと思っています。
私の方の保険会社に弁護士費用特約の利用を打診したところOKが出たのですが、保険会社からある弁護士を強く紹介されました。
保険会社から紹介された弁護士に示談交渉を任せようかと思う反面、自分でもっと良い弁護士を探した方がいいのではないかという気持ちもあります。
もし、自分で弁護士を探す際には、どのような点に気をつければよいでしょうか?
【回答】
交通事故の紛争解決のために弁護士を探す時には、いくつか気をつけた方が良いポイントがあります。
一番重要なのが、交通事故に精通しているかどうかです。
弁護士は法律関係の問題をオールラウンダーに取り扱うことができますが、交通事故に詳しいとは限りません。
例えば医師でも、内科・外科医・小児科・精神科と得意分野が細分化していますが、どの医師も「医師免許」であり、特別な「内科医免許」というようなものがないのと同じです。
弁護士でも、離婚問題が得意な弁護士もいれば、交通事故に特化した弁護士もいますので、交通事故問題に詳しい弁護士を選ぶ必要があります。
ネットで検索すると「交通事故に詳しい弁護士事務所」というのが数多く出てきますが、実際には離婚や借金問題の片手間に交通事故の案件をしているといった弁護士もいますので、実際に会って相談者からの質問に即答できるくらいの弁護士でなければ、依頼するのは避けた方が良いです。
さらに欲を言えば、「むち打ちならば○○形成外科が良い」「長期のリハビリ入院ならば××病院が良い」など、交通事故に付随した医療的な知識もアドバイスできるくらいの弁護士である方が良いです。
もう1つが、近隣の弁護士であることです。
交通事故の場合、当事者への面談のほかに、交通事故現場に調査に行ったり、交通事故の処理をしている警察署に赴いたりしなければいけないため、フットワークが必要となる場面があります。
いくら交通事故問題に優秀な弁護士であっても、福岡の相談者が東京の弁護士に依頼するのは時間的にも費用的にも大きなロスが出やすくなります。
もう1つ重要なのが、弁護士との相性です。
交通事故の示談交渉は、依頼人と弁護士の二人三脚で行うものですので、いくら弁護士が優秀であっても依頼人の意向をくみ取って示談交渉していかないと、信頼関係という面で不協和音を生じる可能性が高いです。
無料やタイムチャージ制の相談でよく弁護士と話し合って、納得した上で弁護士に示談交渉を依頼する方が良いでしょう。
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自分にも過失がある交通事故の場合、保険会社は自身が示談交渉権があることを盾に、弁護士費用特約の利用を許可しないことが多い。
加害者側の保険会社と交通事故や示談交渉のやりとりをするのに不安を抱える人は多い。もし、自分で対応する自信が無いのであれば、弁護士に依頼するべきである。
個人で保険会社と交通事故の示談交渉をするのには限界があるため、示談交渉がうまくいかない場合には弁護士に任せた方がうまくいく。
軽微な交通事故などの場合には、弁護士に示談交渉を依頼した結果、増額分よりも弁護料が高くなって、結果的に赤字になる可能性がないわけではない。
交通事故の示談交渉は当事者同士が行うか、代理権を有する保険会社か、依頼を受けた弁護士しかすることができないため、たとえ家族であっても示談交渉を任せることはお勧めできない。