交通事故でPTSDとなった場合、後遺障害の認定は?

交通事故弁護団
無料相談窓口のフォーム

解決事例のご紹介 当弁護士団のシンポジウム 交通事故の法的基礎知識 当団体が力を入れている事案遷延性意識障害脊髄損傷死亡事故むちうち 運営者情報 全国交通事故弁護団 facebookページ 全国交通事故弁護団 Twitterアカウント

交通事故に関するQ&A

交通事故によりPTSDを発症した場合、後遺障害の認定は?

6

【質問】
半年前に赤信号で停車中に追突されたのですが、追突の衝撃で車が前に押し出され、青信号で走行していたトラックが、自動車の右前方側面に追突しました。

事故現場からそのまま救急病院に運ばれて3カ月間入院したのですが、交通事故の夢を見たり、突然思い出したりして動悸が止まらなくなる時があります。
そのため、不眠症気味になり、落ち込みやすいのにイライラすることも多くなり、会社での仕事の効率も落ちてしまい、交通事故以前はなかったのに最近では上司から叱られることもあります。

医師には入院中から相談はしていたのですが、急性PTSDで時間経過により落ち着くかもしれないから、投薬で観察治療をしようと言われました。
ですが最近はいわゆる「うつ状態」の時が多く、抗うつ剤も最近では処方されています。

現在、医師からも急性PTSDではなく慢性PTSDの診断がおりているのですが、加害者に対してPTSDの慰謝料を請求することはできるのでしょうか?

【回答】
PTSDは阪神淡路大震災を機に、一般的に周知されてきました。
PTSDとは、心的外傷後ストレス障害の事を言い、症状は不眠症や精神不安定・食欲不振・うつ状態などがあげられます。

交通事故では生死の境をさまようような状況や、悲惨な事故現場を目撃することがあり、それが原因でPTSDを発症することがあります。
交通事故を起因とするPTSDの場合には、後遺障害として慰謝料請求の対象となることがありますが、近年では後遺障害の認定が厳格化して来ています。

PTSDは心の病ですので、同じような交通事故に遭遇してもPTSDになる人もいればならない人もいます。
症状はある意味自己申告の面がありますので、交通事故からしばらく経ってから「交通事故が原因のPTSDかもしれないので診察してください」と言っても、因果関係が否定される可能性もあります。

また、医師によりPTSDとの診断が下された場合でも、それが即刻後遺障害認定に繋がるかというとそうではありません。
PTSDが原因として日常生活にどれだけ支障が出ているかが問題となり、支障の度合いにより後遺障害認定9級、12級、14級のいずれかに該当するか、もしくは非認定というのが裁判所の判例になります。

質問者の場合はPTSDによる障害がありますが、会社に勤務できていることから、後遺障害14級の「通常の労務はできるが、軽微な障害を残す場合」(日常生活や社会生活に一定の制限を受ける)に該当するか、もしくは非該当の可能性が高いと思われます。
PTSDの後遺障害認定は、外傷などの後遺障害認定よりも判定が難しいため、事前に交通事故に詳しい弁護士に相談をした方が良いでしょう。

ご相談フォームはこちら

この記事を読まれた方にオススメの情報5選

HOME交通事故に関するQ&A