祖父が交通事故で亡くなり、保険会社との交渉以外も依頼は可能?
【質問】
87歳の祖父が散歩中に、脇道から飛び出してきた自動車にはねられる交通事故に遭い、亡くなりました。
祖父は高齢であったこともあり、加害者の保険会社からの損害補償金がきわめて低く、息子である父が憤慨し、弁護士を雇って保険会社と争うことも辞さないと言っています。
それには私も賛成なのですが、それよりも父には先に祖父の相続関係の手続きを済ましてもらいたいと思っています。
父は一人息子で祖母も亡くなっているので、祖父の相続人は父一人なのですが、祖父は代々地主をしていた家系で、祖父名義の不動産が複数あり、祖父名義の預貯金もいまだに手つかずになっています。
どうせ弁護士に示談を頼むのならば、一緒に相続のことも頼めばいいのにと思っています。
交通事故の保険会社との交渉と併せて、相続関係の手続きも依頼することはできるのでしょうか?
【回答】
交通事故による死亡であっても、通常の死亡と同じく相続が発生しますので、ご遺族は交通事故の対応と併せて相続の手続きも勧めなければいけません。
交通事故の死亡から3か月が経つと、相続人は被相続人の負債・財産ともに相続したとみなされます。
被害者に多額の借金があった場合には困ることになるので、早めに被相続人の資産状況を調べる必要があります。
ご質問者の場合、亡くなられた祖父が資産家であり、相続人も父一人であるため大きな問題はなさそうですが、それでも不動産や預貯金の名義を亡くなった人のままにしておくのは好ましくないと言えます。
弁護士に交通事故の保険会社との交渉と併せて、相続関係の手続きも依頼することはできますが、交通事故の交渉と相続の手続きはそれぞれ別の代理人契約を締結することになります。
案件の種類が違うため、報酬形態も変わるので、依頼をする前に両方の費用について質問をしておく必要があります。
2つの異なる案件を一人の弁護士に依頼するメリットは、やはり問題のすべてを一人に任せているので、何度も説明をしたり書類を揃える手間が省けるのが最大のメリットです。
また相続関係の案件から被害者の収入や資産状況を把握できるため、交通事故の損害補償金の算出の根拠となる資料を同時に揃えることができます。
そのため弁護士サイドの方も、仕事や手続きがスムーズに済む利点があり、ある意味ありがたいと言えます。
事前に、交通事故の示談の相談を弁護士にする際に、相続関係の手続きもできるか聞いてみると良いと思います。
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