交通事故死した兄の借金。相続はどうすれば?
【質問】
交通事故で兄が亡くなったのですが、兄は独身で両親も亡くなっているため、身内は弟の私だけです。
兄とは数年間交流がなく、警察から横断歩道を歩行中に信号無視した車にはねられ即死したと連絡があったので、弟の私が警察に出向き、兄の葬儀も私が出しました。
しかし、その葬儀の時に兄にお金を貸しているという消費者金融のものが来て、借金の返済を迫られました。
葬儀の時に取り立てに来る非常識さや、言葉使いや態度などからまっとうな会社とは考えられず、闇金なのでは思います。
葬儀の後、兄の財布やアパートを調べたところ、大手消費者金融のカードが3枚見つかりました。
これから、兄の遺品整理や借金の清算・交通事故の加害者の保険会社との交渉がありますが、どうしたらよいのか全く分かりません。
もし、闇金だと思われる消費者金融から借金の取り立てがあるかと思うと、兄の相続を一切しない方がいいのかとも思ってしまいます。
【回答】
まずは、相続問題・借金問題・交通事故の交渉をいったん分けて考えていった方が良いです。
相続の遺品整理については、住んでいたアパートの賃貸契約の事もありますので、早急に整理をして引き払った方が良いでしょう。
ですが、金銭や価値がある高価なものは相続手続きに関係をしてくるため、保管した方が良いでしょう。
次に借金問題ですが、兄弟と言えども連帯保証人になっていない限り、支払う義務はありません。
しかし、遺産相続をすると借金も相続してしまうため、借金がある場合には相続放棄をして、兄の遺産を一切引き継がないようにするのも一つの方法です。
また、闇金と思われる業者に対しては、契約内容を確認し貸金業法違反であれば、借金自体が無効になり返済の義務は一切ありません。
もし、貸金業法に違反していなくても、取り立て方に対しても法的に定められていますので、違法な取り立てに対しては訴えることができます。
最後に交通事故の交渉ですが、兄が横断歩道を歩行中の事故と言う事ですので、過失はないか過失が有ってもわずかだと思われます。
自賠責の死亡事故の支払限度額は3000万円であるため、加害者が任意保険に加入していない場合であっても、兄の年齢や年収などにもよりますが、3000万円までは自賠責から支払われる可能性があります。
数百万までの借金であれば死亡事故の保険金から返済が出来る可能性が非常に高いため、安易に相続放棄をしない方が、結果として得となると思います。
しかし、これらの事を並行して進めるのは難しいため、法的な手続きは弁護士に任されることをお勧めします。
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加害者が死亡した交通事故の場合、加害者が加入していた保険会社が被害者の損害賠償を行うが、保険に任意加入していなかった場合には、自賠責保険と加害者の相続人に対して請求をすることになる。
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