急性期におけるむち打ちの治療について
急性期とは、怪我をした直後から1~2週間を言います。
追突事故などでむち打ちを発症した場合、急性期で重要視することは、炎症の沈静化とこれ以上受傷部位を悪化させないための予防措置です。
受傷部位を刺激すると炎症を悪化させるので、首をマッサージしてはいけません。
患部を刺激せず、熱を持っている場合は冷やすなどして、炎症を抑えます。
急性期におけるむち打ちの治療は、アイシングや頸椎カラーによる固定で、患部の消炎および鎮静を第一に考えます。
急性期における効果的な治療法
・頸椎カラー
むち打ちの程度により装着するカラーが変わります。
カラ―をする理由は、頭部の重量を首が受けることで治りが悪くなるのを予防するためで、カラーをすると頭部の重みがじかに首に伝わらないので、頸椎に対する負担が軽減されます。
急性期における頸椎カラーの装着が、むち打ち治療の経過に影響を与えることもあるので、カラーを着けるように言われたら装着しましょう。
・アイシング
炎症を起こした部位は発熱します。
むち打ちの患部を冷やすことで炎症を抑え、病状が軽減するので、急性期におけるアイシングは、特に効果的な治療法です。
・超音波治療
患部に微細振動と穏やかな熱を放射することで患部を鎮静します。
患部を温めると、よりしなやかに組織が伸び縮みできるので、凝り固まった組織の動きが良くなり痛みが軽減することが期待されます。
ただし、急性期は患部の鎮静が重要なので、超音波治療器のモードを弱めに設定する必要があります。
・微弱電流
微弱電流は人が感じない弱い電流を流して、痛みのある患部の電流を正常化させる治療法です。
しかし、体を流れる電気に変異が起きると不快症状が現れます。
微弱電流による治療は、体内の電流の乱れを修正する効果があるとされ、急性期におけるむち打ちの消炎及び鎮痛を目的として使用されています。
・総合刺激装置
電気刺激療法機器の一種で、むち打ちの急性期による治療以外に、プロスポーツ選手の疲労軽減やリハビリテーションに活躍しています。
総合刺激装置は、3種類の中周波が干渉することにより、立体的に治療できるのが特徴です。
複合的に様々な種類の電流を体に流すことで、より効果的に鎮静、消炎を促進できると期待されています。
交通事故でむち打ちを発症し、その後の後遺症を認めてもらうためには、主治医の先生や弁護士と相談することをお勧めいたします。
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むち打ちの治療期間は大半の患者が2週間以内ではあるが、長期にわたる場合があり、医師から適切なアドバイスを受けて治療期間を決める必要がある。
むち打ちで接骨院に通院する場合には、手順をしっかりしてなければ保険会社から治療費が支払われない可能性があるので、事前に弁護士に相談するのも良い。
むち打ちによって発生する損害は治療費だけではないので、治療が終わったら加害者の支払いは終わりではなく、その他の損害賠償金について話し合うべきである。
自賠責保険の怪我の治療費などの支払い上限は120万円であるため、むち打ちの治療費などが120万円を超えると、保険会社は治療費の打ち切りを言ってくることが多い。
むち打ちの示談金の内訳は、『治療費』・『休業補償』・『通院(入院)慰謝料』が大きなものであるが、慰謝料以外は支払いや補填に使われるため、実際に被害者に残るのは慰謝料のみである。