死亡事故のひき逃げに遭ったときにすべきことについて
死亡事故でひき逃げをされてしまった場合、どう責任を取ってもらえばいいのか、誰に気持ちをぶつければいいのか、遺族は途方に暮れてしまうかもしれません。
とはいえ、死亡事故のひき逃げ犯が逮捕される可能性は高く、平成24年の犯罪白書を見てみると、ひき逃げ全体の検挙率は50%を割っているのに対し、死亡事故では98.8%の事件で犯人が検挙されています。
被害状況が深刻であるほど、警察の捜査が徹底的に行われるためと考えられます。
家族がひき逃げの死亡事故に遭ってしまったときには、被害者遺族としてすべきことをし、犯人検挙の可能性を減らさないことが大切です。
まず、すぐに警察、救急車を呼びます。
2次被害を防ぐため、歩道の奥や車通りの少ない場所へと移動しましょう。
慌てている中でもできる限り、加害車両のナンバーや車種、色など、情報を残すことが重要であり、書くものが無ければ、携帯電話のメモ機能を使うことができます。
警察の実況見分に対応し、事故証明書を発行してもらいます。
目撃証言や記録画像がひき逃げの証拠に
死亡事故後は出来るだけ早い段階で目撃者を探し、事故状況や加害車両の記憶について話を聞きます。
現場にいる場合、話を聞くのは早ければ早いほど良く、警察の到着を待つ間にも行動した方がいいでしょう。
目撃内容だけでなく、その方の氏名や連絡先などを教えてもらい、いざというときに証言してもらえるようにしておくことが大事です。
その他には、後続車や対向車のドライブレコーダー、近隣のコンビニや店舗の防犯カメラに死亡事故前後の画像が残っていることがあります。
警察の捜査に任せっきりにするのでなく、遺族として死亡事故の状況を正確につかんでおくことは、被害者の無念を晴らすだけでなく、後に犯人が検挙された後の損害賠償請求に役立ちます。
記録は一定期間で消去されるので、早めに確認する必要があります。
ひき逃げ犯が検挙されれば、犯人に刑事処分、行政処分が下され、さらに民事責任として損害賠償の請求がスタートします。
ひき逃げをした加害者には悪質性が認められ、場合によっては慰謝料の増額理由になり得ます。
加害者側の保険会社からの情報を鵜呑みにするのではなく、慰謝料のほかに葬儀費や逸失利益など、請求すべき項目について知り、吟味することが大切です。
もしもひき逃げ犯が捕まらない場合には、政府保障事業制度の利用によって国からの補償を受けることができます。
いずれにしても、対応や制度の利用方法、不安や疑問などを弁護士に相談しておくと安心です。
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死亡事故の加害者は、事故発生後に逮捕される。最長23日間拘留され、その後、起訴するか不起訴か検察が判断する。加害者の減刑は、被害者との和解が重要視される。
死亡事故では、被害者が生存していないため、自身で損害賠償の請求などの対応はできない。そうなると遺族の対応が求められるため、何をしていく必要があるのか、しっかりと把握するべきである。
死亡事故で発行される死亡診断書(死体検案書)は、のちのさまざまな手続きに必要となり、弁護士に依頼する際の情報源ともなるため、コピーを複数枚手元に置いておく方がよい。
弁護士に依頼すれば、交通事故による死亡事故の賠償金は裁判所基準で請求できるため、時間はかかってしまうものの、訴訟を起こすことで数千万円の増額が期待できる。
死亡事故の場合、警察・裁判所・保険会社が死亡事故の遺族の味方とならず、遺族が第二の被害者となるケースもあるため、早目に弁護士に相談をするとよい。