遷延性意識障害患者も税金を納めないといけないの?
遷延性意識障害の患者の税金と聞くと、「働いているわけではないので所得税もないし、住民税も非課税だろうから、税金とは無縁ではないのか?」と思われるかもしれませんが、遷延性意識障害の患者と言えども全く税金とは無関係ではいられません。
交通事故で遷延性意識障害となった場合、保険会社から支払われる慰謝料などについては、いくら高額になろうとも非課税対象となります。
しかし、「搭乗者傷害保険」「人身傷害補償保険」「自損事故保険」の保険金は課税対象となることもあり要注意です。
遷延性意識障害となった患者自身が契約者の場合は所得税が、遷延性意識障害となった患者以外(配偶者や親)が契約者の場合は、贈与税の対象となることがあります。
保険金の金額が高額になると、おのずと税金の金額も高額となるため、うっかり税金を納め忘れたために追徴課税されないように気をつけなければいけません。
また、会社勤めや自営業で交通事故前に収入があった場合には、その年度の収入に対する所得税や住民税などがかかってきます。
例えば、11月に交通事故に遭って遷延性意識障害となって、1~10月までは会社員としての収入があった場合には、その分に関しては課税対象となります。
遷延性意識障害の状態でも税金が
遷延性意識障害の患者名義の不動産がある場合には、固定資産税の請求は患者名義で毎年されます。
また、遷延性意識障害の患者名義の収益不動産がある場合には、賃貸料などは患者の収入利益とみなされるため、課税対象となります。
所有している株の株主配当もこれに当たるため、金額如何によっては税金を支払う必要性が生じます。
間接的ではありますが、遷延性意識障害患者の預金口座に対する利息も、20%の税金が引かれています。
現在の超低金利時代には実感が湧かないかもしれませんが、20数年前であれば銀行の定期預金金利が3%を超えていた時期があり、1億円定期預金をしていれば300万円の利息が発生します。
300万円の20%は60万円ですから、税金としてはかなり税率が高いことがわかります。
金利も変動があるため、10年20年先にはどれだけ変わるか予想できないため、知識としては覚えておいた方が良いでしょう。
反対に遷延性意識障害の患者家族は、税金面で優遇があることもあります。
遷延性意識障害患者は身体障害者1級の認定がされていることが多いため、特別障害者や同居特別障害者の控除の対象となります。
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家族が交通事故に遭い遷延性意識障害患者となった場合、患者家族が交通事故の加害者に対して家族への慰謝料を請求することは難しいので、事前に弁護士に相談をするとよい。
遷延性意識障害の患者が被成年後見人と認定されると、選挙権などの公民権の停止が行われる。
遷延性意識障害となった患者に親類がいない場合は、市区町村の首長が弁護士などを後見人として指名して、家庭裁判所に成年後見制度の申請をすることになる。
若年の遷延性意識障害患者は余命が長く、介護期間も長くなる傾向があり、様々な問題が起きやすいため、弁護士に事前に相談をしておく方がいい。
介護人が先に亡くなり遺された遷延性意識障害患者は、弁護士などが成年後見人となり、遷延性意識障害の患者名義の資産で治療を受け続けることが一般的である。