交通事故で冬期休暇に有給を足して休んだ時の休業補償は?
【質問】
会社の冬期休暇の1日目に交通事故に遭い、2週間入院しました。
最初の5日間は冬期休暇であったため、6日目以降は有給を使って会社を休みました。
土日を除くと5日間有給を使っています。
その後は通院で怪我の治療をしていますが、保険会社と休業補償の話になった時に、休業補償は有給分の5日しか認められないと言われました。
私からすれば、冬期休暇の間の2泊3日の旅行が行けなくなり、しかもゆっくり休めるはずだった2日間を病院で過ごすことになりました。
しかも会社が通常業務になった後の土日の分も、休業補償には含まれないと言われました。
保険会社から言われたことが釈然としないのですが、休業補償は有給で休んだ分しか認められないのでしょうか?
【回答】
そもそも、交通事故による休業補償とは、「交通事故の怪我が原因で会社を休んだことにより、給料が減少した分の補填」を指します。
そのため、会社が休みとしている日に、交通事故が原因の怪我で入院もしくは通院・自宅療養している場合には、休業補償はされません。
一般的な週休2日の会社であれば、土曜・日曜・祝日・GW・夏季休暇・冬期休暇が休業補償の日数に含まれません。
気をつけたいのが、会社(仕事)を休んでも給料が減らないという場合には休業補償にならない点です。
サラリーマンの場合は会社を休めば給料が減らされますが、通勤途中や勤務中の交通事故の場合には、労災が適用されます。
労災が適用されると、労災により休んだ分の休業補償がされますので、給料の減収はなかったものとされ、交通事故の加害者側に休業補償を請求することはできません。
また、農業従事者などで、農繁期は忙しいが農閑期は休んでいるような従事状況で、農閑期に交通事故に遭った場合には、実質的な農作業に実害が出ていないため、休業補償が認められない可能性もあります。
以前は有給休暇を利用して入院などをしていた場合には休業補償が認められていませんでしたが、現在は保険会社も休業補償の対象として計算をしています。
今回の事故では、交通事故の入院により旅行を中止されたということですが、旅行代金の損害が出ていることを見積書・領収書・旅行会社のキャンセルによる清算書など、損害を証明できるものがあれば、加害者に対して請求することができます。
また、休業補償については給料が減額された日数に対してしか補償されませんが、入院慰謝料については入院した日数に対して支払われるため、土日や祝日などでも除外されることはありません。
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交通事故の怪我が原因で入院した場合、被害者は個室を希望される場合が多い。しかし過去の判例からすると、そのほとんどは個室料金の請求が認められていない。
交通事故で入院となり、有給を使って入院治療をした場合、有給は労働者の権利であるため、入院や通院のために有給休暇を使っていても、休業補償日数に含めて保険金が支払われる。
家族といえども交通事故の当事者ではないため、支払い能力がない加害者の代わりに賠償金を支払う義務はない。ただし、任意での支払いは可能であるほか、家族にも賠償責任が生じるケースがある。
交通事故の場合、過失割合に沿ってお互いがお互いの損害賠償をしなければいけないため、過失割合が小さくても負担が大きい時がある。
交通事故の被害者が交通事故以外の原因で死亡した場合には、加害者は死亡日までを補償すればよい。