交通事故後、人身事故だと訴えてきた…どうすればよい?
【質問】
3日前に、住宅街を徐行中に、脇道から飛び出てきた自動車と衝突事故を起こしました。
近所の人が警察に連絡してくれたようで、すぐに警察が来て交通事故の実況見分をしたのですが、狭い住宅街の道でしたのでお互いに大したスピードも出ておらず、お互いの車もバンパーの交換程度の修理で済みそうな交通事故でした。
そのため、相手の方とはお互いの車両保険と物損を使って修理をすることで話し合いが済み、保険会社に交通事故の連絡をして、自動車の修理の見積もりをしてもらうためディーラーに自動車を預けました。
しかし、翌日保険会社から連絡があり、相手方が物損事故から人身事故への切り替えをしたと言われました。
何でも、交通事故の夕方から首が痛むので病院に行き、むち打ちで通院するとのことでした。
話し合いの場で「お互い人身事故になったら、罰金と点数が引かれるので物損事故にしよう」と同意したのに、だまされた気分です。
私の方も、軽いむち打ち症状とシートベルトが食い込んだ際の青あざがあるのに、我慢していたぐらいなので納得いきません。
相手方に人身事故の取り下げを要求することはできるのでしょうか?
【回答】
交通事故における人身事故を取り下げることは、一般的に無理です。
これは身体に傷を負った「傷害罪」に当たるため、被害者保護の観点からも認められている権利です。
そうでないと、加害者が被害者を脅迫して人身事故を取り下げさせると言うことも考えられるため、問題があるからです。
質問者の場合、交通事故における対応で間違っている点がいくつかあります。
1つが早い段階で、物損事故で処理しようとした点です。
交通事故の場合、交通事故直後は事故を起こしたことによる興奮から痛みを感じづらくなっていることがあります。
そのため、一旦落ち着いて数時間~数日経ってから痛みを感じることがあります。
特にむち打ち症状は3日後くらいに出ることも珍しくなく、よくある「3日前に子供の運動会で走ったけど、やっと筋肉痛が来た」と言うのと同じ原理になります。
今回の場合は、相手側の方が早くむち打ちの症状が出て診察を受けられたようですが、この先質問者の方でもむち打ち以外に、脳髄液減少症などが起こる可能性もあるため、話し合いの際に後遺症が出た時のことも含めて話し合いをするべきでした。
もう一つが、むち打ち症状やシートベルトによる打撲傷が出ているのに医療機関で診察を受けていない点です。
交通事故による受傷は明らかで、交通事故から3日目と言うことなので、即刻診察を受ける必要があります。
このケースでは、加害者の他に保険会社ともめることが予想されますので、早めに弁護士に依頼をした方が良いでしょう。
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交通事故で被害者が立ち去る場合は、被害者がいたか不明であるため、物損事故で処理されるか、もしくは交通事故自体がなかったものとされることもある。
単独で起こした事故の場合、自賠責保険を使うことができないが、それを補完するために損保会社の自動車保険には様々な特約を用意している。
交通事故の過失割合は当事者同士で自由に決められるが、保険会社が介入している場合には決められた過失割合から大きく外れた示談をすることはできない。
交通事故の治療のための交通費は、公共交通機関の運賃が基本となるが、自家用車の場合は自宅・病院間の距離に15円/㎞をかけたものが支給される。
交通事故で入院した場合には、入院にかかる雑費は「入院雑費」として日額で支払われ、必要に応じて付き添い費に関しても支払われることがある。