交通事故の加害者に損害賠償金以外の要求はできますか?
【質問】
半年前に、交通事故で小学生の息子を亡くしました。
いつも通り小学校に登校したのに、加害者のわき見運転が原因で、歩道を歩いていた息子をはねて死なせたのです。
息子が亡くなったことがあまりにも悔しく、悲しみが深いため、未だに加害者側の保険会社とは交通事故の示談交渉をしていません。
また、加害者の刑事裁判が1カ月後にあるとは聞いているのですが、参加したいという気持ちと、裁判により、更に悲しみが深くなるのではないかと言う気持ちで揺れ動いています。
しかも、加害者は同じ町内の人間で、買い物などに行く際には否応なしに加害者の家の前を通らなければならないため、胸をえぐられるかのような気持ちでいます。
なので、加害者には一生自動車の運転をして欲しくない、息子の命日には墓参りをして欲しい、今住んでいる家から引っ越して欲しいと思っています。
裁判で交通事故の保険金に関して争うことができるのは知っているのですが、こういった要求を裁判で加害者に認めさせることはできるのでしょうか?
【回答】
質問者が言われる通り、交通事故の民事裁判では保険金の金額が焦点となる事が多いです。
今回の質問者様の希望される要求は、どちらかというと懲罰的な意味合いが強いため、刑事裁判の方で被害者遺族の立場から要求すると良いと思われます。
現在の刑事裁判では被害者救済の観点から、被害者及び被害者遺族が刑事裁判に参加する権利が認められています。
その権利の中には、加害者に対して尋問する権利や被害者遺族の心情を裁判の場で陳情する権利も含まれます。
また、加害者に対する量刑に対しての希望を言うことができますので、「法律の範囲の上限の懲役刑を望みます」と言ったような発言をすることも出来ます。
希望される要求ですが、認められるかどうかは微妙と言えます。
加害者側が自発的にこれらの事を言いだされた場合はよいのですが、刑事裁判で下された判決を全うすれば、刑事上では罪は償われたと言う事になります。
つまり、刑事裁判で罰金刑なり懲役刑の判決が下り、加害者がそれに従えば贖罪されたことになります。
そのため、一定期間後は免許の取得も可能ですし、墓参りや引っ越しの義務は負わないと言う事になります。
ですが、先程も触れた刑事裁判の被害者の参加における被害者遺族の心情陳述で、これらの要求を加害者に直接言うことができますので、刑事裁判に参加するのが良いと思われます。
しかし、刑事裁判の参加には検察庁との打ち合わせが必要になるため、弁護士に依頼して代行してもらう方が負担が少ないと思います。
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交通事故の加害者に懲罰的な意味合いを込めて高額な慰謝料請求の裁判を起こしても、今までの判例に準じた判決を下されることが多い。
交通事故で加害者から見舞金を受け取る場合には、メリット、デメリットを考慮し、損害賠償金に含めるかどうかをハッキリさせたうえで受け取るようにすべきである。
交通事故の被害者、もしくはその遺族には被害者参加制度によって加害者の公判に参加する権利がある。公判では大きく4つの行動が可能で、心情を訴えたり犯罪事実について質問することもできる。
保険会社と示談交渉で納得できる回答がもらえず裁判と言われた場合、弁護士を通じて交渉した方が有利に進められる。
軽傷であった交通事故の示談では、弁護士に依頼することで入通院慰謝料を弁護士基準まで引き上げて増額できる可能性がある。費用の詳細はケースバイケースで弁護料は弁護士によるので比較検討が必要となる。