むち打ちの症状だけで人身事故扱いにする際のリスク

交通事故弁護団
無料相談窓口のフォーム

解決事例のご紹介 当弁護士団のシンポジウム 交通事故の法的基礎知識 当団体が力を入れている事案遷延性意識障害脊髄損傷死亡事故むちうち 運営者情報 全国交通事故弁護団 facebookページ 全国交通事故弁護団 Twitterアカウント

むち打ち

むち打ちとなった人身事故を取り消すことはできるのか?

むち打ち3

車同士の軽い衝突などでは、お互いが自動車だけの物損事故で済ませようと事故現場では言っていたものの、翌日になって一方がむち打ちを訴えて人身事故になるということがあります。

弁護士の立場からすると、警察において人身事故の扱いになっていないと、自賠責保険や任意加入の保険会社からむち打ちの治療費などが支払われないため、むち打ちの症状が出た場合には速やかに人身事故の届出をするのが正解と言えます。

しかし、むち打ちとは言え人身事故は「自動車による傷害事件」になりますので、刑法で罰則があるほかに、免停などの行政処分の可能性もあります。

そのため、交通事故の内容によっては、「こちらがむち打ちの人身事故の届出をしたら、向こうもむち打ちと打撲で人身事故の届出をしてきて、自分が免停になってしまった。」「交通事故の時には物損で済ますと言っていたのに、いつのまにか人身事故に切り替わっていて、罰点が来た。」というようなトラブルがあります。

このようなことになってから、片方が(場合によっては両方が)「人身事故ではなく物損事故で処理をして欲しい」と言ってくることがあります。

一旦人身事故に切り替えたら物損事故には戻せない

では、一方の当事者やもしくは両方からの申し出で、一度人身事故として警察にとり扱われた交通事故を、物損事故にすることができるかというと、答えはNOです。

一度物損事故として取り扱われた交通事故でも、むち打ちの診断書を携えて正式に処理されれば、「交通事故で怪我人が出た」という事実が確定されてしまうため、取り消すのはほとんど不可能に近いと言えます。

つまり、人身事故として取り扱われてしまうと、刑事処分や行政処分は免れないということになります。
(検察庁が不起訴処分とするかとは、別問題です)

そのため、自分がむち打ちとなった交通事故では、反対に相手方もむち打ちとなる可能性があるため、ただ単に「治療費がもらえるから」と人身事故にしてしまうと、自分自身の方に大きな不利益となることがあります。

タクシー運転手やトラックの運転手が人身事故にしたがらないのは、免許停止になれば仕事が出来ないからという理由に他なりません。
一般のドライバーでも、交通事故以前に道交法違反で罰点がついているのならば、たとえむち打ちの交通事故でも一発で免停となってしまう可能性もあります。

もちろん、むち打ちの症状が出れば人身事故にするべきですが、反対に自分も「加害者」となる可能性もあることを理解しておかなければいけません。

ご相談はこちら

この記事を読まれた方にオススメの情報5選

HOMEむち打ち