幼児の死亡事故で、加害者の無責主張を排斥し、慰謝料2800万円を獲得した事例(たくみ法律事務所)

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解決事例のご紹介

幼児の死亡事故で、加害者の無責主張を排斥し、慰謝料2800万円を獲得した事例

事例提供:たくみ法律事務所

【事例】
福岡県在住の幼児が、スーパーの駐車場内にて、自動車に轢かれ、救急搬送されたものの、搬送先の病院にて亡くなられました。
 
被害者のご両親が、「49日を迎えた後、相手方保険会社から連絡があるようなので、その前にどのように対応したらよいのかを相談したい」とのことで、ご相談を頂きました。

弁護士の活動
 
加害者は、交渉段階において、運転席に乗り込んだ加害者からは車の死角にいた被害者の姿を確認できず、また、車両に備え付けられた衝突防止ソナーも鳴らなかったため、事故は予見できなかったとして、自らの過失を否定する主張を行ってきました。
そこで、示談交渉での合意は不可能と判断し、加害者に自らの責任を認めさせ、適切な賠償を獲得するため、裁判に移行することを決めました

裁判においても、加害者は、自動車の衝突防止ソナーが反応しなかったことから、事故に対する反省の態度は見受けられませんでした。
また、確かに、再現実験においても、自動車の衝突防止ソナーは、背の低いものには反応しませんでした。
しかし、再現実験の結果を踏まえてもなお、人の往来の多い駐車場内の事故であることや加害者の周囲確認が不十分であることなどから、加害者の責任を認めさせるため、徹底的に加害者本人の尋問を行いました
  
その結果、判決では、加害者の過失を認めるとともに、次のような指摘がなされました。

【判決文の抜粋】
本件事故は、幼児等いわゆる交通弱者を含む人の往来も多い駐車場内の交通事故である。ひとたび幼児と自動車との間で事故が発生すれば、幼児の生命を奪う等の重大な結果をもたらすことは当然に予想される。
  
そうすると、被告(加害者)は、このような大きな危険を内包する被告車両を発進させようとする以上、被告車両に乗り込み、これを進行させるまでの過程において、周囲に幼児の有無を確認した上で、発進進行までの間に、幼児が死角に入り込んでしまう可能性を念頭に置き、その有無・動静に注意しておく義務があるところ、被告は、これを怠ったまま漫然と被告車両を発進させた過失がある。

また、加害者の自己中心的で反省のない態度により、遺族に与えた苦しみは甚大であるとして、慰謝料の増額を主張するとともに、その点に関しても、加害者及びご家族に尋問を行いました。

結果
○総額:約5000万円(人傷からの受領額含む)
●主な損害項目
・逸失利益:2192万円
・慰謝料:2800万円
 
※通常は2000万円から2200万円
  判旨において、慰謝料増額の理由は、明示的には触れられていませんでしたが、加害者の衝突防止ソナーに対する過信と不誠実な態度が考慮されていることは明らかだと思われます。
●過失相殺:10パーセント
  ※本件の事故態様からすると通常は20パーセント程度

1

○自保ジャーナルへの掲載
この判決は、現代の自動車のハイテク化を過信する運転者に警鐘を鳴らした裁判として注目を集め、交通事故に関する最新裁判例を紹介する専門誌である『自動車保険ジャーナル』の1947号120頁に掲載されました。

○自動車のハイテク化を過信する運転手に警鐘をならす判決として西日本新聞にも掲載


【弁護士からのアドバイス】
記事提供者:たくみ法律事務所

まず、金額の面について、加害者の無籍主張が通れば当然賠償は得られませんし、そうでなくても、過失割合が10パーセント異なれば、最終的な獲得金額は数百万円も変わることになります。
また、慰謝料の増額に関しても、裁判所は、基準額からの増額を認めることに消極的な傾向にあるため、適切な賠償を獲得するには、専門知識を有する弁護士において、主張・立証することが不可欠となります。
 
そして、金額以上に、本件において、事故当初から自己中心的な主張で自らの責任を否定してきた加害者により、遺族の方が受けた精神的苦痛は計り知れませんでした。そのような遺族の方の気持ちを理解し、加害者の責任を追求して、適切な解決を得るためには、弁護士との協力が極めて重要といえます。

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