頸椎症性脊髄症により7級4号の後遺障害となった事例(よつば総合法律事務所)

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頸椎症性脊髄症により7級4号の後遺障害となった事例

事例提供:よつば総合法律事務所

【事例】
平成24年夏、須藤妙子様(仮名、35才、千葉県千葉市在住、女性、兼業主婦)が自動車を運転し、赤信号にて停止していたところ、後方からトラックに強く衝突される被害にあいました。被害者は病院に運ばれ治療を継続しましたが、頚椎症性脊髄症との診断がされました。「頸椎症性」とは比較的交通事故による影響が少ないと思われる傷病名です。

しかしながら、被害者の症状は全く改善されないため、頚椎椎弓形成術という手術を行うことにしました。手術を行った後、被害者の症状は一部改善されました。しかしながら、1年半程度治療を継続したにも関わらず手足のしびれが残存したり、今までと同じように手足を動かすことができなくなってしまったため、後遺障害申請を行うことにしました。

後遺障害申請を行った結果、「神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの」として後遺障害等級7級4号となりました。7級4号の妥当性を確認したかったために法律事務所をインターネット経由で探し、弁護士に相談をしました。
弁護士が等級の妥当性を確認したところ、等級については妥当との判断に至りました。むしろ、被害者本人が事故前から有していた素因(病気)の影響があるのではないかというおそれもありました。素因があると判断されてしまうと、損害額が10%、20%、30%~というように減額されてしまいます。
裁判の提起、任意の交渉、紛争処理センターへの申立という方法が考えられましたが、正式な裁判の提起ではなく、紛争処理センターへの申立をすることとしました。紛争処理センターにおいても素因が争いとなりましたが、主治医のに意見を聞くために弁護士が病院を訪れ意見を聞き、その意見をまとめた資料を証拠として提出しました。

また、主治医以外にも被害者を診察した医師がいたためにその医師の意見も弁護士が依頼の郵便を送付する方法により取得しました。さらに、医学文献も弁護士が調査した上で紛争処理センターに証拠として提出しました。

結果的には、素因ゼロとはならなかったものの、極めて少ない素因の割合のあっせん案が被害者及び保険会社に提示されました。その結果、総額約2800万円を受け取る和解が成立しました。紛争処理センターのあっせん委員も弁護士が提出した証拠を重視した判断をしたものと思われます。非常に難事件でしたが、「先生が妥当と考える案なので和解しました。よかったです」との感謝の言葉をいただくことができました。

【弁護士からのアドバイス】

記事提供者:よつば総合法律事務所

■素因について
素因はとても難しい問題です。仮に、損害額が1000万円だとしても素因が10%あると判断されてしまうと、損害賠償額が900万円になってしまいます。頚椎症性脊髄症という傷病名からしても、また、診断書・診療報酬明細書・カルテの記載などからしても、本件では素因があることが疑われる事案でした。そのため、医師への面談を弁護士が行って素因についての医師の意見をお伺いしたり、医学文献を証拠として提出するなどの活動を行いました。弁護士の活動の結果、素因が0%にすることはできませんでしたが、素因による減額を極めて少ない割合とすることができました。

■紛争処理センターへの申立
交渉により解決をする方法、裁判をする方法、紛争処理センターにより解決をする方法の3つの方法のうちどの方法を行うかは大変微妙な問題です。誤った判断をしてしまうと、賠償額が大幅に減ってしまいますし、適切な判断をすれば、賠償額が大幅に増えることもあります。今回の事故では、裁判となると素因減額がより厳密に争われることが想定されましたので、紛争処理センターへの申立という方法をとりました。(なお、任意の交渉段階よりも紛争処理センターでの段階の方が損害額も増え、かつ、素因減額の割合も減りました。)

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