脊髄損傷で後遺障害等級が認定された場合の慰謝料は?
交通事故のように強い衝撃がかかるトラブルでは、運転手や同乗者に強い負荷がかかり、脊柱に外力が加わる事も珍しくありません。
もし、脊柱に力が加わり、脊髄が損傷してしまった場合、それは脊髄損傷と診断される事があります。
脊髄のような中枢神経は、その他の末梢神経と違い、損傷すると自然に再生されたり、修復したりする事はなく、現代の医学において回復させる確実な方法は発見されていません。
脊髄損傷は重篤な後遺症を残す例も珍しくなく、後遺障害等級を認定される事が多くあります。
後遺障害等級は症状の度合いによるものの、重度となればより高い等級が認められ、それに応じて慰謝料の額も増額していく傾向があります。
例えば、高い等級である1級1号では、脊髄損傷の症状として高度の四肢麻痺あるいは両足の麻痺、中度の四肢麻痺によって食事や入浴が難しく常時介護が必要とされる状態、また、中度の両足の麻痺により、食事や入浴が難しく、これもまた介護が必要である場合に、認められる可能性があります。
対して低い等級である12級13号の場合、軽微な麻痺を感じる場合に、後遺障害として認定される事があるのです。
これらのように、症状に応じて等級が振り分けられており、被害者が感じている症状は、正確に医師へと伝える事が大切です。
脊髄損傷の後遺障害等級における慰謝料の相場
脊髄損傷での後遺障害等級の段階が上であればあるほど、加害者側に請求できる慰謝料は高額なものとなります。
実際の判例を参考にして相場をあげるのであれば、両足の麻痺で介護が必要な場合の1級となった場合、後遺障害慰謝料の相場は約2,900万円です。
また、脊髄損傷による両下肢不全麻痺などの症状で3級と認定された場合、慰謝料の相場は約1,900万円となっています。
このように、後遺障害等級がたった2つ変わるだけでも、後遺障害における慰謝料の金額は1,000万円も上下します。
被害者としては、お金で全てが済まされる問題ではないと考えるはずですが、だからこそ、正当な慰謝料を請求する事がとても大切だと言えます。
そして重要なのは、適正な慰謝料をもらう事です。
ご自身で正当に主張していたとしても、加害者側との交渉がこじれる可能性が考えられます。
そこで、正当な主張をし、適正な慰謝料を受け取るためにも、交通事故に強い弁護士を雇う事も視野に入れておくと良いでしょう。
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交通事故による脊髄損傷は、症状に応じて後遺障害等級が分かれる。慰謝料に大きく影響する部分であるため、具体的な症状と等級を照らし合わせ、把握するのが望ましい。
脳の底部から背骨へと延びている太さ約1cmの神経である脊髄を交通事故などの外部からの衝撃で傷付け、さまざまな病状を発症するのが脊髄損傷である。
脊髄損傷であっても麻痺などの症状がない場合には、後遺障害認定を受けることは困難である。
交通事故で脊髄損傷を負った場合、加害者側に対して請求できる損害賠償項目を把握しておく事は重要である。被害者が該当する損害賠償項目を主張し忘れることの無いよう確認しておかなくてはならない。
脊髄損傷患者の多くは足に障害が出るため、歩行や移動に関して問題を抱えることになる。将来的な歩行・移動補助道具の購入費用も交通事故の相手方に請求できる。