脊髄損傷で入院した時に必要なこと
交通事故直後に、緊急入院した病院の医師から「脊髄損傷の可能性があります。」と言われることは少ないです。
交通事故の場合、ほぼ打撲や切り傷などの外傷や内臓のダメージを負っているため、そちらの治療を優先させているからです。
交通事故直後にも関わらず脊髄損傷と診断されるのは、レントゲンやCTで明らかに脊髄損傷の箇所が映っている場合に限られます。
通常の場合は、患者本人から「足が動かない」などの申し出を受けて検査をして判明したり、脳波や心電図に異常がなく、体の方にも異常がないにもかかわらず意識が不鮮明であったり、目を開いていても会話できなかったりなどの症状があるため、頸部の骨髄損傷を医師が疑い検査してわかると言った過程を経てされるので、事故から数日たって判明することがほとんどです。
しかも、脊髄損傷を負っていなくても、交通事故による身体的なショックのほか、心因的なショックで麻痺が生じることがあるので、交通事故直後に麻痺症状があっても2・3日で後遺症状がなく治まることもあります。
ですので、入院時に「脊髄損傷かも?」と言う場合でも、数日経過を見て医師の判断を仰ぐ必要があります。
入院中にするべきこと
脊髄損傷との診断が下されて入院をしている場合には、患者自身のリハビリに加えて、将来的な看護プランを立てる必要があります。
一口に脊髄損傷と言っても、「つま先にピリピリとした違和感がある」と言った軽微な症状から、「首から下が全く動かず、人工呼吸器が必要」と言う重篤なケースまであります。
多くの病院で定められている3カ月間の入院期間中に、「転院するか、自宅看護をするか?」、「転院するのならば、転院先の確保はできるのか?」「自宅看護をするのならば、自宅のリフォームを含めての受け入れ態勢が退院までにできるのか?」などの問題が山積となってきます。
特に自宅看護を決断された場合には、患者の脊髄損傷のレベルを把握し、出来ることと出来ないことの判断の上、介護用品のレンタルや自宅のリフォームなどを計画しなければいけないのですが、入院中に状況が改善し用意したものが不要となる事もあるので、事前に医師や理学療法士に相談をした方が良いでしょう。
また、自宅看護を望んだ場合には、通院による継続的なリハビリに加え、家庭でのリハビリ運動も必要になります。
排尿障害や食事の摂取障害がある場合は、それらのお世話も必要になりますので、退院までにこれらのやり方を本人及び家族が覚える必要があります。
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脊髄損傷の治療で、保険を適用して再生医療を受ける場合には、期限や条件があるため、治療を希望する場合には速やかに手続き等を進める必要がある。
脊髄損傷の診断ではMRI等の画像が重視される。発見が難しい場合もあるため、早期に専門医を受診する事が大切である。神経学的検査や電気生理学的検査でのサポートも可能なため、検査を行うと良い。
脊髄損傷の診断は麻痺、しびれの確認、MRI等の画像診断で特定し、損傷箇所は、C・T・L・Sで部分を、番号で骨の場所を表す。ダメージの度合いは完全損傷と不完全損傷に分かれる。
脊髄損傷の症状の中にはめまいなどもあり、更年期障害と誤診されることもあるので、交通事故後にめまいの症状が出た場合は精密検査をした方が良い。
尾骨の脊髄は他の脊髄よりも退化しており、尾髄の脊髄損傷より仙骨の脊髄損傷や尾骨の骨折による神経障害として取り扱われることが多い。