無免許運転の自動車との交通事故、保険金は支払われる?
【質問】
センターラインをオーバーしてきた対向車と、正面衝突する交通事故に遭いました。
大きな事故であったため、私は交通事故現場から救急車で搬送され、そのまま入院することになりました。
事情聴取で病院に来た警察に聞いたところ、相手はなんと高校生で親の自動車を勝手に乗り回していたということでした。
しかも無免許運転であったため、今は病院に入院中であるが、怪我が治り次第拘束すると言われました。
交通事故から3日経ってから、交通事故の相手側の両親が病院に謝罪に来て、「入院費などは保険会社が出すように話をしています」と言って帰りました。
相手の両親は、治療費などは保険会社が支払うといったニュアンスでしたが、はっきりしないため、後で不安になってきました。
特に今回は未成年者の無免許運転による交通事故なので、保険会社も保険金の支払いを拒否するのではないかと考えると不安でたまりません。
このような場合、保険会社は保険金を支払ってくれるのでしょうか?
もし、保険会社が支払ってくれない場合には、相手の親に請求するしかないのでしょうか?
【回答】
交通事故で加害者の方に重大な過失がある場合でも、被害者に対して保険会社は保険金を支払うことがほとんどです。
重大な過失とは、飲酒運転や無免許運転、盗難車両の運転、危険ドラッグなどの薬物を使用しての運転、蛇行運転などの危険走行、スピードの過度の超過などが当たります。
加害者に重大な過失があるということで、被害者への補償がなければ、被害者は泣き寝入りしなければいけないこともあるため、被害者救済の面から保険金を支払うことがほとんどなのです。
しかし、加害者側は重大な過失を理由に保険金が支払われません。
今回の交通事故では、加害者も事故により入院していますが、治療費は支払われませんし、多分壊れたであろう自動車に関しても、車両保険や修理代などは支払われません。
しかも、保険会社が加害者に対して、保険金の支払いに関して保険会社には支払いの責任がないと主張することがあります。
この場合、一旦保険会社から被害者に対して保険金を支払いますが、被害者に支払った分の保険金額を加害者に請求することもあり得ます。
今回のように未成年かつ無免許運転で、事故車両の所有者が加害者の親である場合には、加害者の親に対して保険会社が請求することがあります。
とはいえ被害者の立場からすれば、間に保険会社が入っていることにより、通常の自動車事故の保険金請求とあまり変わらないため、神経質になりすぎる必要はないと思われます。
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交通事故の交渉で、「示談」「調停」「裁判」の違いは、示談は当事者同士の話し合い、調停は話し合いの場に裁判所の調停委員が立ち会う、裁判は文字通り裁判で内容を決めることを言う。
1回目の交通事故の示談前に、2回目の交通事故で死亡してしまうと、請求できる保険金額が変わってくるため、弁護士に依頼して交渉をしてもらう方が良い。
交通事故の相手が飲酒運転であっても、被害者に対しては通常の交通事故と同じく保険金が支払われる。
交通事故以前から障害があり、交通事故で悪化した場合には、以前からの障害を考慮して差し引いた保険金が支払われるが、完治していた場合には純粋に交通事故で負った怪我として扱われる。
交通事故の保険金支払いの基準は、低い順から「自賠責保険基準」「保険会社基準」「裁判所基準」があり、金額の差が数倍となる。