死亡事故の遺族が加害者と会えない場合にはどうすれば良い?
死亡事故の場合、残された遺族と加害者との間で大きな問題が起こります。
遺族からすれば大切な家族を奪った死亡事故を起こした加害者に対して、憤懣やるかたない気持ちを持つのは当然のことです。
しかし、必ずしも加害者側が自責の念にとらわれて反省するかというとそうではなく、「死亡したのは運が悪かった」、「自分が悪いのではなく相手の方が悪い」と、考える加害者もいるのが現実で、ニュースでも「死亡事故の加害者 裁判でも反省なし」といったものが見られます。
死亡事故の遺族は加害者の話を聞きたいと願っても、加害者と直接かかわり合う機会は遺族が思うよりもかなり少なくなります。
特に加害者側に弁護士がついたり、自動車保険に加入している場合には、弁護士や保険会社の担当が窓口となるため、「加害者に一切会わずに示談が終了した」といったケースも少なくありません。
遺族が望んでも加害者と会えないケースも
遺族が「加害者の顔は一切見たくない」と言うのであれば問題はないのですが、「加害者に一言言ってやりたい」、「亡くなった家族の墓に謝ってほしい」といった場合、遺族はどうすればよいのでしょうか?
一番良いのは加害者本人もしくは弁護士や保険会社の担当などの代理人に、「加害者本人からの直接の謝罪が欲しい」と伝えることです。
裁判において「加害者が被害者遺族に謝罪をして、遺族が受け入れている」、「示談を終えている」というのは、刑事裁判において加害者側に有利なため、面会を受け入れるケースもありますが、それでも面会をしたがらない加害者もいます。
その場合は、加害者の刑事裁判に立ち会うという方法があります。
裁判には「被害者参加制度」というものがあり、死亡事故においては遺族も対象となります。
手続きとしては、
1.遺族が、死亡事件を担当する検察官に刑事裁判への参加申出。
2.申出を受けた検察官が、遺族が刑事裁判に参加することに対する意見を付して裁判所に通知。
3.裁判所は被告人や弁護人の意見を踏まえ、犯罪の性質や被告人との関係、その他の事情を考慮して、刑事裁判への参加を許可するかどうかを判断。
4.裁判所が許可した場合、遺族は「被害者参加人」として刑事裁判へ参加が可能。
となります。
被害者参考人として参加できた場合には、「被告に対しての尋問」、「被告に対しての質問」、「起因の範囲内で意見を述べる」ということが許されます。
被害者参加制度を利用しなくとも、遺族は優先して裁判の傍聴ができるなど優遇措置もありますので、弁護士に相談をしてみるのもよいでしょう。
この記事を読まれた方にオススメの情報5選
死亡事故の民事裁判となった場合、加害者側は損害賠償金の遅延損害金も併せて支払わなければいけなくなる。
被害者に落ち度のない死亡事故でも過失があると言われたら、弁護士に依頼して事故の調査をして、正しい過失割合を主張するほうが良い。
死亡事故の場合、警察・裁判所・保険会社が死亡事故の遺族の味方とならず、遺族が第二の被害者となるケースもあるため、早目に弁護士に相談をするとよい。
死亡事故の加害者側に弁護士がついた場合には、被害者遺族からすると「口達者な弁護士に押し切られる」といったケースに陥りがちなので、早急に弁護士に相談をして、対応策を考えた方が良い。
死亡事故に遭った被害者の遺族への対応によって、加害者の刑罰の軽重が変わる事があるので、弁護士に相談をして対応をどうするか考えた方が良い。