被害者の過失6割→被害者の過失3割、交差点での出会い頭事故。死亡事故(吉田法律事務所)

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解決事例のご紹介

被害者の過失6割→被害者の過失3割。交差点での出会い頭事故。死亡事故。

事例提供:吉田泰郎法律事務所

【事例】
被害者は中学生の女子でした。中学校に登校中の事故でした。被害者の女子は、自宅の近所の交差点を自転車で横断中、自分の左方向から走行してきたダンプカーと衝突し、死亡しました。出会い頭の事故でした。

現場の交差点は、付近に民家や倉庫が多くたっており、見通しの悪い交差点でした。また、ダンプカーの走ってきた道路は、工業地帯に原料、材料を輸送するために大きなダンプカーが多く走っている道路でした。
「この道路は、こわい…」
多くの交通事故を見てきた私は、住宅街のすぐ近くに、こんな工業用の道路があり、危険なダンプカーが走っていること自体に、疑問を感じました。
この土地の付近の、中学生、高校生は、こんな危険な道路を横切って、通学しなければならないのです。毎日、危険に直面していることになります。
道路行政を考え直してもらいたいと思いました。

さて、この事件では、過失割合が問題となりました。
加害者は、この事故で
「被害者に6割の過失がある」
ということを主張しました。
じつは、加害者の対面信号は「青色」でした。それを根拠としての主張と思われます。

しかし、弁護士は、「青色」信号だからといってあきらめず、丁寧に事故の発生した状況を検討しました。
その結果、この交差点は特殊な交差点であり、「信号はあるけれども、その信号は道路の優先関係を決めない」というルールの交差点でした。
つまり、法律的には、加害者は、この交差点では、「青色」信号であっても、交差点を優先的に通ることはできないのでした。
したがって、加害者は「青色」信号だったからといって、被害者に6割の過失がある、などという主張はできないことになります。

この事件は、死亡事故ということもあり、被害者の感情も強かったため、被害者側から裁判を起こしました。
その結果、裁判所は「被害者の過失は3割」だという判断を出しました。
加害者の主張するような「被害者に6割の過失がある」という主張は、裁判所は許さなかったのです。

【弁護士からのアドバイス】
記事提供者:吉田泰郎法律事務所

死亡事故のような重大な事故では、過失が1割異なるだけで、賠償金額に大きな違いが発生してきます。
表面的にみれば、加害者側が「青信号だった」というケースであっても、弁護士が厳重に検討していけば、違った結論が出てくる可能性もあります。

死亡事故や重度障害が残ったケースでは、ぜひ、弁護士に過失割合もふくめて相談してください。

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